日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

無駄話

そういえば日露戦争開戦直前に、「七博士建白事件」てのがあった

日露戦争の開始直前に、帝国大などの教授七人が開戦論を唱えて政府に意見書を出した「七博士建白事件」というのがあった。高校の日本史でも習う。今回の海外の著名日本研究者たちによる「日本の歴史家を支持する声明」は、これに匹敵すると思う。つまり後世…

長すぎた春休みを送る辞

先程、遅れていた某原稿を送信して、ようやく4月の終わりとともに怒濤のような数十日が終わろうとしており、思い起こせば三月の末、わたしの春休みは廃園だった的なことを書いたような記憶があるが、この2~4月は、博士論文を書いた年と同じぐらい、きつ…

春、ひるがえれ

とにかく、だな。 春休みは終わるが、春休みの宿題が終わらないんだ。 一日はあっという間に終わるが、 やりたかった一日の課題はぜんぜん終わらないんだ。学生よ、おれの部屋に来るな。 電話、鳴らなくていい。 メール? なんですかそれ。 保育園、やっぱお…

キーワードは「反知性主義」で、あってるんだろうか?

アマゾン・レビュー欄を炎上させる言葉 「反知性主義」がいまキーワードになっている。けれども、この言葉を安易な意味で使って、レッテル張りをすることって、有効なんだろうかと思う。この言葉を使うのは注意した方がいいし、より適切な言葉がある場面では…

まさか「殉愛」裁判で論文書こうとかいうんじゃなかろうな >自分

たった今知ったんですが、この小説、プライヴァシー裁判になっているんですね…わたし、「宴のあと」「名もなき道を」「石に泳ぐ魚」と論文を書き継いできた、自称〈小説とプライヴァシー〉研究家なんですが、やっぱりこれもケンキュウしないといけないんでし…

書店、ヘイト本、ストックとフロー

『現代思想』2月号の反知性主義特集掲載の福嶋聡さん「憎悪・排除・批判――闘技場としての書店」が面白く、考えさせられたのでメモしておく。 ヘイト本に書店(員)はどう向き合うか 福島さん(ジュンク堂難波店の店長さん)の文章は、ヘイト本に書店(員)が…

ブログを引っ越ししました

はてなダイアリーから、はてなブログに乗り換えました。 はてなダイアリーに強い不満があったわけではないのですが、SNSとの連携とか、小さな不具合とか、scriptが使えないことがあるとか、いろいろ蓄積して、ここしばらく引越を考えていました。 で、試しに…

著作権保護期間が70年に延長される方向らしい

著作権保護期間が70年に延長される方向だというニュースが流れている。文化的な自殺行為だということがわかっているんだろうか(怒) 著作権保護は原則70年で調整へ TPP 2月3日 4時15分 NHK News WebTPP=環太平洋パートナーシップ協定を巡って、交…

「過去を語り継ぐ」のは不十分な行為だ――宮崎信恵監督の講演会・上映会の感想

土曜日、宮崎信恵監督の講演会とハンセン病療養所のドキュメンタリー映画『風の舞』の上演会があったので、ちょっと感想を書いておく。これはNくんをはじめとした院生有志が主体のイベントだったのだが、すべてにおいて万端整っており、大したものだと改めて…

新年快楽

新年明けましておめでとうございます。 おみくじが嫌いです。人と神社へ行っても、たいてい私だけ引きません。しかしながら、現在の住居に移ってから行ける年には必ず除夜の鐘を突きに詣でており、そこで写真のような干支の人形がいただけるのであります。そ…

超訳「時代閉塞の現状」2014

石川啄木(1886-1912)は、1910年つまりおよそ100年前、24歳のときに「時代閉塞の現状」を書きました。大逆事件(明治天皇の暗殺企図のかどで、幸徳秋水らが秘密裡に処刑された事件)の直後のことでした。 わたしたち日本の青年は、いまだかつてあの政府の強…

人形を供養してきた

この前、家族の家を整理する必要があって、その手伝いに行って来た。女の子二人が育った家で、人形がたくさんあった。いくつかのどうしても棄てられないものを除いて、処分することになった。 人形は、棄てにくい。 というか、棄てられない。人形を少しでも…

追記 その「仕事」を解除せよ

前のエントリに対し、Facebookで大事なコメントを返していただいたので、それに対する私の応答を転載して、追記しておきます。個人名など、最小限の修正はしています。 (以下)「遊び」の意義を強調する私の考えに対して、「それはある程度の経済的保証がさ…

その「仕事」を解除せよ――遊びをせんとや生まれけむ

野球、相撲、地図 愚息トーゴ氏はもうすぐ3歳になる。手先も器用になり、走ったり跳んだりも活発。語彙や知識も増えていて、言葉も達者になってきた。そうすると、遊びの世界もぐんぐん広がってくる。最近のブームは、野球と相撲と地図である。新聞紙で制作…

「夏休みの宿題」がすでに終えられる気がしないのだが

さきほどからスケジュール帳とにらめっこしているのだが、どう考えても「夏休みの宿題」が終えられる気がしないのだが。。 まだ8月1日であるのに、この展望。 どうしてだ、自分。どうしたらいい、俺。どうしたらいいの、ボク。 今からやる。毎日やる。 仕事…

(ほぼ)復活

ご心配をおかけしたみなさま、恐縮でした。先週後半から仕事に復帰し、今日は大学院の授業に出たのですが、学生の皆さんやら先生方やらに、いろいろ声をかけていただいたりして、人情のあたたかみに触れたことでありました。感謝です。この暑いのに酒を飲む…

扁桃腺炎

扁桃腺炎で倒れている。簡単には終わらないようすである。 写真は先週末、近所の神社に、茅の輪くぐりに行ったときのもの。「無病息災」。まさか、こんな文脈で掲げることになろうとは。

「当事者」って誰?「現場」ってどこ?2

(「「当事者」って誰?「現場」ってどこ?1」よりつづく) 観察者/報告者の資格 観察者/報告者と、当事者、現場の問題を、もう少し具体的に考えてみたい。先の記事で私は、真の「現場」、真の「当事者」という考えは放棄した方がよい、観察者/報告者が…

「当事者」って誰?「現場」ってどこ?1

成田龍一さんの『〈歴史〉はいかに語られるか』 先日、大学院の授業で学生たちと議論していて、ちょっと思いついたことがあるので、メモしておきたい。「当事者」というのはいったい誰のことで、「現場」とはいったいどこのことなのだろう、というようなこと…

憲法が死んだ次の日に、あるいはポエム化社会とどう向き合うか

錯乱から目が覚めて 昨晩から憂悶にとりつかれて精神的にまいっており、思い乱れて深夜に呪文のごとき抗議文を唱えて首相官邸と内閣官房の意見箱に送信するという取り乱した行為におよんでしまったわけだが、原因ははっきりしている。理屈が通らない相手に、…

教室が「戦場」になった日?(2):産経新聞による広島大学の授業攻撃を読んで考えたこと

ここへ来てこの問題は 大学の学生だけの問題ではなく、私たちの社会一般の雰囲気の問題かもしれないと気づく。私の友人で、大手食品流通会社に勤めている人間がいる。彼が店長をやっていた時代に話してくれたエピソードを、私はよく覚えている。最近は、顧客…

教室が「戦場」になった日?(1):産経新聞による広島大学の授業攻撃を読んで考えたこと

この事件が報道されて 以来、ずっと気になっている。嫌な気分で、そして同時に正直に言って、怖いとも思った。その後いろいろネット上の言葉を見ていて、さらに怖いという気持ちは増した。けれど、これが2014年の日本の「教室」をめぐる状況なのだと思った。…

大学教員が論文指導によく使うハンドサイン一覧表

作ってみました。 実際の指導はイメージと異なります。

別れ

今年度は、例年にも増して、たくさんの別れがある年だった。 予定された別れもあれば、去って行く人の決断に基づいた別れもあれば、私自身の判断が別れをもたらしたものもあった。 私は、別れの挨拶が、上手ではない。別れをおそらくやり過ごしたいから、ま…

電子ジャーナルと学問のコスト

最近、所属先の大学が、 ある電子ジャーナルのパッケージの購読を止めた。「電子ジャーナルのパッケージ」というのは、販売会社がまとまった数の雑誌を一括して販売している商品のことである。べらぼうに、高い。部局で割って負担していたので全額ではないが…

喪中につき

本年、妻の父が他界いたしましたので、年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます。本年中のご厚情に感謝いたしますとともに、明年も変わらぬご交誼のほど、お願い申し上げます。 12月4日 日比嘉高

成立記念書き込み

たったいま、ニュースで「成立」のようすを見た。ある組織に属しているとして、その組織のリーダー達が、「聞く耳を持たぬ」人たちだと判明したら、メンバーはどのような反応を示すだろうか。まずは直接意見を言ってみるだろう。しかし、どのように何度言っ…

知人の皆さんにお願い

このたび、わたくしの携帯電話が急逝しました。突然の「起動せず」症状、そして、アドレス帳全消滅という仕儀。バックアップ云々などの細かい話は、後日また別記するやもしれませんが、ともかく涙です。ご自身のアドレス帳に、日比の携帯電話番号、もしくは…

夏の置き土産

今朝起きたら、玄関先で朝顔が咲いていた。ここにはこの夏、朝顔の鉢が置いてあったのだが、こぼれた種が、壁と地面のパネルの間の隙間から芽吹いた。思わぬ夏の置き土産であった。「夏の宿題」が終わらないまま新学期を迎えている主人にとっては、こういう…

under control

現首相が全世界の前で言い放ったこの言葉を、私たちは覚えておかなければならない。 「Some may have concerns about Fukushima. Let me assure you, the situation is under control. It has never done and will never do any damage to Tokyo.(フクシマ…