日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

無駄話

あいちトリエンナーレに子連れて行って思ったこと

あいちトリエンナーレの愛知県美術館会場に行ってきました。子連れで楽しめる工作コーナー(ダミコ・ルームとかキャラバンファクトリー)があって、そこが今日のお目当てでした。無料でありました。簡単な工作を親子でできるところがあったり、ゲーム感覚で…

センター試験後継の新テストに「国語」の記述式問題を導入したときに起こる惨状

※ 最初に大事なお断りです。下記の記述は、現在公開されている情報と、中高・予備校・大学短大の試験現場についての知見を総合して、日比が予測的に書いたものです。個人の予測ですから、当然外れたり勘違いがありえます。また採点現場の事情について触れた…

中国調査出張から戻りました

帰国しました。写真は、哈爾浜(ハルビン)に向かう途中、早朝の長春駅です。 書きたいことは山のようにあるのですが、とりあえずメモ的に。 1.図書館 行く前からわかっていたことだが、中国東北部のめぼしい公立・大学図書館の旧満洲国関連資料は全面封鎖…

人生に、文学部を。

人生に、 文学部を。文学部を知らなければ、 こんなはずじゃなかった。 文学部を知ったおかげで、 どうやっても人生回り道だ(アニメ化?)読むとは妄想することである。 俺の不条理、私の弱さ。男も女も関係ねぇだろ。 妄想しなければ、実学系に進めるとで…

SNSのシェア/リツイート数と、実際の読者数の間に大きな差があるのを体感した話

この前ブログに書いた「ていうか18歳選挙権いらない そもそも民主主義いらない」に向き合う - 日比嘉高研究室の記事に対する反応を見ていて、あらためて思い知ったことがあるので、書いておきます。以下、いろいろ書いていますが、日比という特定色のある個…

「ていうか18歳選挙権いらない そもそも民主主義いらない」に向き合う

選挙終わりました。憲法改正が現実的な問題になってきました。この間、もやもや考えていたことを少し言語化しておきたいと思います。ここ最近、目に入った言葉で、心に残ったものに触れながら進めます。 「英国国民投票からは数多くのことを学べるだろう。こ…

亀井秀雄さんの訃報

仰ぎ見る方(かた)だった。著書や論文には、たくさんのことを教えられたと思っている。その質の高さ、視野の広さ、射程、厳しさ、どれも超一級だった。 ほとんど直接の接点はなかったけれど、唯一、私が2002年にUCLAに在外研究に行ったとき、わずか数日?滞…

さまざまな「日本」の発音~音はもともと、国も文字も超えていた

聞いてみて下さい。すごく面白いです。www.youtube.com蘇州とか、杭州の発音は、もう「じゃぱん」としか聞こえない。 そして客家語や福州の方言は、「にっぽん」にとても近い。私たちは言葉というものを、国を中心に考えてしまいがちです。中国の言葉、日本…

教育にお金を  「娘の除籍」毎日新聞2016年3月31日

つらい記事だ。 娘の除籍 東京都港区・匿名希望(会社員・55歳)毎日新聞2016年3月31日 東京朝刊 11万5000円の学納金を納めることができず、娘が大学を除籍になりました。 数年前、私は正社員として10年以上勤めた会社を、身内の介護のため辞めざ…

「鉄板イタリアン」と過ごす、ある昼休み

ときどき、「これ」が唐突に食べたくなるのである。1ヶ月ぐらい前から、あー食べたい、と思いながら日々過ごしてきたのだが、今日チャンスがあったので、「これ」を食べるならここと決まっていた、本山のBⅡに行こうとした。先週、この店には振られていたの…

あるお稽古の話

七年少し続けていたお稽古を、やめようかと考えていた。ひとつには仕事が忙しくなってしまったこと。時間を捻出しようと思えばできなくはないけれど、いまは月一回に減らしているその時間でさえ、惜しいと思う自分になっていた。もうひとつには、色々自分な…

インタビュー・記憶・《経験》: 利尻島に行った話2

インタビューという出会い やって来たとき、その利尻島の老人は一人の見知らぬ他人だった。2時間のインタビューを終え、一緒に昼食のうどんをすすったあと、その老人は離島で育ち、初年兵として戦場をくぐり、捕囚としてシベリアで過ごし、舞鶴に引き揚げ、…

利尻島に行った話

「冬休み」の町 研究チームの調査で、利尻島に来た。2月はじめ。厳冬期である。 研究チームの課題は「国境」を考えるというやつで、樺太引き揚げのおじいさんおばあさん(かつては小学生)のお話なんかを聞けて、おおおそんなことがありましたか、とすごく面…

謹賀新年

明けましておめでとうございます。Facebookを始めてから、日常の雑事をそちらの方に書くことが多くなり、その代わりブログの方には少しまとまった文章を書こう、と思っていました。が、やはりなかなかそれは難しいことですね。自分で更新のハードルを上げて…

無題、あるいは師走に大事なこと

いまから大事なことを言うよ。 【来 年 で き る こ と は 来 年 や る ん だ】 pic.twitter.com/rcYql2NV9q— 日比嘉高 (@yshibi) 2015, 12月 28

私はマイナンバー制度を拒否します

某件をお手伝いさせてもらっている仕事先から、「個人番号」提供のお願いがきました。拒否しました。 今に勤務先からも来るでしょうが、拒否します。 担当者の仕事をちょっとだけ増やすことになって恐縮ですが、従いません。 通知書も受け取っていません。私…

名古屋大学‬ にMega Kebabが

「近年増加しているムスリムの留学生の食生活支援を目的として、名古屋大学生協のご協力により、移動販売車によるハラールフードの提供を下記期間に試行的に行う」のだそうです。ムスリムの人たちだけでなく、それ以外の人にとってもうれしく、美味しい話で…

日韓国交正常化50周年

今年は日韓国交正常化50周年なのだそうです。皆さんご存じでしたでしょうか。私は恥ずかしながら知りませんでした。そして先週末訪れた韓国で、たまたまシンポジウムの関連行事で同席した日本の大使館関係者から、それを教えてもらい、心底びっくりしました…

そういえば日露戦争開戦直前に、「七博士建白事件」てのがあった

日露戦争の開始直前に、帝国大などの教授七人が開戦論を唱えて政府に意見書を出した「七博士建白事件」というのがあった。高校の日本史でも習う。今回の海外の著名日本研究者たちによる「日本の歴史家を支持する声明」は、これに匹敵すると思う。つまり後世…

長すぎた春休みを送る辞

先程、遅れていた某原稿を送信して、ようやく4月の終わりとともに怒濤のような数十日が終わろうとしており、思い起こせば三月の末、わたしの春休みは廃園だった的なことを書いたような記憶があるが、この2~4月は、博士論文を書いた年と同じぐらい、きつ…

春、ひるがえれ

とにかく、だな。 春休みは終わるが、春休みの宿題が終わらないんだ。 一日はあっという間に終わるが、 やりたかった一日の課題はぜんぜん終わらないんだ。学生よ、おれの部屋に来るな。 電話、鳴らなくていい。 メール? なんですかそれ。 保育園、やっぱお…

キーワードは「反知性主義」で、あってるんだろうか?

アマゾン・レビュー欄を炎上させる言葉 「反知性主義」がいまキーワードになっている。けれども、この言葉を安易な意味で使って、レッテル張りをすることって、有効なんだろうかと思う。この言葉を使うのは注意した方がいいし、より適切な言葉がある場面では…

まさか「殉愛」裁判で論文書こうとかいうんじゃなかろうな >自分

たった今知ったんですが、この小説、プライヴァシー裁判になっているんですね…わたし、「宴のあと」「名もなき道を」「石に泳ぐ魚」と論文を書き継いできた、自称〈小説とプライヴァシー〉研究家なんですが、やっぱりこれもケンキュウしないといけないんでし…

書店、ヘイト本、ストックとフロー

『現代思想』2月号の反知性主義特集掲載の福嶋聡さん「憎悪・排除・批判――闘技場としての書店」が面白く、考えさせられたのでメモしておく。 ヘイト本に書店(員)はどう向き合うか 福島さん(ジュンク堂難波店の店長さん)の文章は、ヘイト本に書店(員)が…

ブログを引っ越ししました

はてなダイアリーから、はてなブログに乗り換えました。 はてなダイアリーに強い不満があったわけではないのですが、SNSとの連携とか、小さな不具合とか、scriptが使えないことがあるとか、いろいろ蓄積して、ここしばらく引越を考えていました。 で、試しに…

著作権保護期間が70年に延長される方向らしい

著作権保護期間が70年に延長される方向だというニュースが流れている。文化的な自殺行為だということがわかっているんだろうか(怒) 著作権保護は原則70年で調整へ TPP 2月3日 4時15分 NHK News WebTPP=環太平洋パートナーシップ協定を巡って、交…

「過去を語り継ぐ」のは不十分な行為だ――宮崎信恵監督の講演会・上映会の感想

土曜日、宮崎信恵監督の講演会とハンセン病療養所のドキュメンタリー映画『風の舞』の上演会があったので、ちょっと感想を書いておく。これはNくんをはじめとした院生有志が主体のイベントだったのだが、すべてにおいて万端整っており、大したものだと改めて…

新年快楽

新年明けましておめでとうございます。 おみくじが嫌いです。人と神社へ行っても、たいてい私だけ引きません。しかしながら、現在の住居に移ってから行ける年には必ず除夜の鐘を突きに詣でており、そこで写真のような干支の人形がいただけるのであります。そ…

超訳「時代閉塞の現状」2014

石川啄木(1886-1912)は、1910年つまりおよそ100年前、24歳のときに「時代閉塞の現状」を書きました。大逆事件(明治天皇の暗殺企図のかどで、幸徳秋水らが秘密裡に処刑された事件)の直後のことでした。 わたしたち日本の青年は、いまだかつてあの政府の強…

人形を供養してきた

この前、家族の家を整理する必要があって、その手伝いに行って来た。女の子二人が育った家で、人形がたくさんあった。いくつかのどうしても棄てられないものを除いて、処分することになった。 人形は、棄てにくい。 というか、棄てられない。人形を少しでも…