日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

Inheriting Books: Overseas Bookstores, Distributors, and Their Networks

Yoshitaka Hibi. in PAJLS (Proceedings of the Association for Japanese Literary Studies), vol.19, 2019: 14-25. (published in 2021) アメリカ日本文学会の予稿集に掲載された論文です。戦前外地の書物ネットワークに、日本の大学改革の話が接続すると…

疫病と日本文学

日比嘉高編、三弥井書店、2021年7月、254頁、他共著者11名 編著が出ました。昨年(2020年)12月に名古屋大学国語国文学で行ったシンポジウム「疫病と日本文学」をもとに、名古屋大関係者12名があつまって刊行した論文集です。2020年に始まった新型コロナウイ…

オンラインの大学院説明会

現在、名古屋大学大学院人文学研究科では、オンラインの大学院説明会を行っています。 私の所属する日本文化学でも、メールやZoomによる個別相談を受け付けています。 詳細は、以下のページをご覧下さい。 https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/examination/exami…

環境と身体をめぐるポスト・ヒューマンな想像力 ─ 環境批評としての多和田葉子の震災後文学

『日本学報』韓国日本学会、Vol.125、2020.11、pp.1~19 韓国日本学会の第100回大会シンポジウムで報告をさせてもらった多和田葉子論が、論文になりました。以下から全文が読めます。ご笑覧ください。(全文)環境と身体をめぐるポスト・ヒューマンな想像力 ─…

ゴロが死んだ話

ここのところ食べる餌の量が目に見えて減っていたから、予期はしていた。夕食の後、リビングの隅に置いたケージを覗きに行くと、餌の減りがさらに少なかった。あいかわらず彼は巣の中に入り込んでいて姿を見せない。あまりに変化のない餌箱に、ふと不安を感…

危機の時代の歌──米国日系移民強制収容所の俳句、短歌

現代詩手帖、第63巻第11号、2020年11月、pp.40-44 坪井秀人さんの『二十世紀日本語詩を思い出す』(思潮社)の刊行を記念した特集に寄稿しました。内容は副題の通りなのですが、自分としては、『怒濤』という収容所の中の同人誌に発表された句 置去りの犬に…

プライヴァシーの誕生──モデル小説のトラブル史

新曜社、2020年8月12日、308頁 書評 図書新聞 2020年9月26日 書評 日比嘉高 著『プライヴァシーの誕生』@図書新聞 2020年9月26日号: 新曜社通信 毎日新聞 2020年9月26日 今週の本棚:『プライヴァシーの誕生 モデル小説のトラブル史』=日比嘉高・著 - 毎日…

Japanophone Poems in Motion: Languagescapes of Itō Hiromi and Tian Yuan

Fechner, Matthias, and Henrieke Stahl, eds. Subjekt und Liminalität in der Gegenwartsliteratur, (Bern, Switzerland: Peter Lang D, 2020) accessed Oct 8, 2020, https://doi.org/10.3726/b17545世界の現代詩を研究するトリア大学(ドイツ)のチーム…

科研費採択課題を対象とした研究課題の計量テキスト分析──日本文学 の場合

「科研費採択課題を対象とした研究課題の計量テキスト分析──日本文学の場合」『社会文学』第52号、2020年8月、pp.89-100 私としては、初めての計量テキスト分析の論考、つまりコンピュータを用いて、テキストデータを量的・統計的に分析したものになります。…

「パンデミック小説の地図を書く」 すばる9月号

『すばる』第42巻9号、2020年8月、pp.144-151(9月号)、特集「表現とその思想、病をめぐって」 すばる9月号はコロナなど感染症と文学の特集です。私も「パンデミック小説の地図を書く」という拙文を書いています。これまで言及されるのは海外小説か、日本の…

新刊出来! 単著が出ます。

出来!!!!日比嘉高『プライヴァシーの誕生 モデル小説のトラブル史』新曜社書店にはお盆明けぐらいから出るはず。編集は今回も渦岡謙一さん。本当にお世話になりました。装幀は難波園子さん。クールかつ印象的なのを作って下さいました。 pic.twitter.com…

コロナ禍の大学キャンパス、およびオンライン授業3ヶ月経過後の授業アンケートの結果

コロナ禍の中の大学キャンパス この記事は、Twitterで「#大学生の日常も大事だ」というハッシュタグが注目を集めている中で書いています。最初、以下で紹介する私の授業アンケートの結果と、ハッシュタグで並ぶ大学生たちの訴えは、けっこう違うな、という感…

大学院説明会 2020年7月

名古屋大学大学院人文学研究科の大学院説明会は、オンライン(動画やメール、ZOOM等)で行われます。私や飯田祐子さんの所属する日本文化学講座の受験をお考えの皆さんは、ぜひお立ち寄り下さい。日本文化学講座の個別相談もあります。 メールでの受付期間は…

統制経済と書物流通──帝国の国策書籍配給会社

『人文学研究論集』名古屋大学、第3号、2020年3月、pp.335-350 Title: Book distribution and the controlled economy: On the national book distributors of the Japanese Empire後日、以下の名古屋大学附属図書館のリポジトリで、全文が読めるようになる…

「満洲」の本屋たち──満洲書籍配給株式会社成立まで

『Intelligence』20世紀メディア研究所、第20号、2020年3月、pp.102-117 Title: Bookstores in Manchuria before the establishment of Manchuria Book Distribution Co., Ltd.和文要旨: この論考では、「満洲」における日本語書籍の小売史を考える。主たる…

大幅更新 「近現代文学研究関連の情報収集」

ほぼ2年ぶりぐらいに、自分自身のウェブページ「近現代文学研究関連の情報収集」と「[演習発表用]文献の集め方」を更新しました。park18.wakwak.com park18.wakwak.comどちらも、近現代を中心とした日本文学研究に関わる文献収集のためのリンク集とその解…

作家の進化を示す欲張りで充実した連作小説(李琴峰『ポラリスの降り注ぐ夜』書評)

『すばる』42巻5号、2020年4月6日、pp.318-319 すばる五月号に、李琴峰さんの『ポラリスの降り注ぐ夜』の書評を書きました。 出だしはこんな感じ。ぜひ手に取ってみて下さい。 セクシュアル・マイノリティたちの生と性をめぐる物語と言ったらよいのだろうか…

The New York Times にコメントが載った件

Twitterやネットで書き散らしていると、たまに面白いことが起こります。この状況のなかでハンコを求められる日本の習慣にTwitterで文句を言ったら、バズったんです。そしたら、ニューヨークタイムズの記者が来た。(笑)記事の下の方で、文句を言っています…

「情の時代」に棹を差す──あいちトリエンナーレ2019、毒山凡太朗、タニア・ブルゲラ、大浦信行、袁廣鳴

『JunCture』11号、2020年3月、pp.186-189 あいちトリエンナーレ2020のレビューです。以下から全文がご覧いただけます。doi.org

Google翻訳 vs みらい翻訳 vs DeepL翻訳:日本語論文の英文要旨を訳させてみた

最近の機械翻訳の進歩は本当にすごい。以前「みらい翻訳」を試してみて、その精度におののいたのですが(「みらい翻訳」を使って仕事をしました。(使用感) - 日比嘉高研究室)、先日来、DeepL翻訳という新手のサービスが登場して話題になっています。gigaz…

台湾・新高堂書店 村﨑長昶―事跡と回想録 全1巻

金沢文圃閣から、以下の編著を刊行しました。 台湾・新高堂書店村﨑長昶──事跡と回想録(文圃文献類従75) 村﨑長昶 著 日比嘉高 編・解題 金沢文圃閣、2020.1、246頁 年譜あり ISBN 9784909680624 価格 16800円 村﨑長昶は、戦前の台北市にあった最大の日本…

紹介・書きました)専門家を軽視し、不安を利用する日本の政治…新型コロナが示したこと

現代ビジネスに、以下の記事を書いています。「専門家を軽視し、不安を利用する日本の政治…新型コロナが示したこと」 gendai.ismedia.jp

菊と少女:あいちトリエンナーレ2019 振り返りPart 3 終

10月13日 キュレーターの方が雑談の中で言っていたことが気になっている。〈菊タブー〉は大きいですよ、慰安婦の問題と天皇の問題は一緒くたにできないと、再開された「表現の不自由展・その後」の抽選券を求めて並ぶ人々の列を見ながら、その人は言った。そ…

タニア・ブルゲラ《10,148,451》:あいちトリエンナーレ2019 振り返りPart 2

8月5日 手に押されたのは、2019年の難民の数――生き残った人々と亡くなった人々の。スタンプの数字はタニア・ブルゲラ Tania Brugera の作品《10,148,451》の仕掛けの一部である。作品の鍵は「強制的な共感」。ブルゲラの作品を見る前、会場の別の作品を見て…

毒山凡太朗《君之代》:あいちトリエンナーレ2019 振り返りPart 1

「あいちトリエンナーレ2020」についての小文を頼まれておりまして。以下は、その準備運動、もしくはロングバージョンです。 10月9日 あまり期待はしていない、いやもっといえば警戒心の方が先に立っている。駐車場に車を止めて、円頓寺の商店街を歩く。台湾…

2019年の論文・記事まとめ

2019年1月~12月に発表した論文や記事など。こう振り返ると短いのが多い。このあと3月ぐらいまでに、いくつかまた印刷されて出て来る予定です。そいつらは、長いやつ。あと他にもいろいろ書いていた体感があるんですが、それは発表原稿だったようです。 論…

発表者募集 2020年 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 第8回 バリ大会

発表者の募集を開始しています。2020年 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 第8回 開催地:インドネシア・バリ島 ウダヤナ大学ほか 日程:10月16日(金)、17日(土) 応募〆切:3月15日(日)詳細は以下のページをご参照下さい。eacjlforumweb.wixsite.com

今年度の研究発表まとめ

今年度は特に後半がデスロードだった(というか、いまも道半ば)ので、その道程を記しておこう。 Japanophone Literatures and Books: materiality, distribution networks and immigrant writers., "Japanese Diaspora to the Americas: Literature, Histor…

久々更新ついでの駄弁

この前、思わぬ方から「ブログ読んでいます」と言われ、恐縮したのである。最近はもっぱらTwitterに投稿しており、ほかの元ブロガーの方々と同じように、Twitterでこまめにガス抜きすると、ブログを書くエネルギーがなくなるという循環になっております。 が…

草の根の表現の自由のため

『中日新聞』2019年11月8日、夕刊 あいちトリエンナーレ2020に関係する記事を、『中日新聞』の夕刊に書きました。