日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

別れ

今年度は、例年にも増して、たくさんの別れがある年だった。
予定された別れもあれば、去って行く人の決断に基づいた別れもあれば、私自身の判断が別れをもたらしたものもあった。
私は、別れの挨拶が、上手ではない。別れをおそらくやり過ごしたいから、またすぐに/またどこかで会えますよね、というように、話を持っていってしまう。
事実であるが、しかし一方、〈いま−ここ〉の関係は、もう二度と戻っては来ない。
別れは、分かれで、べつの道へと続く道である。

もしかしたら、この先のことと、これまでのこととを比べる天秤のバランスが、少し変わってきているのかも知れない。簡単に言えば、それだけ私が年を取ったということか。
この先のことの長さで、いまここの別れをごまかすことは、そろそろ自分自身を、だませなくなってきているのか。

「さようなら」は「さようなら」と、言うべきか。
しかしまだなお、という後ろ髪が、私の別れの挨拶を、もごもごと歯切れの悪いものにする。


明日から、新学期です。