新・映像の世紀がすごい
年賀状を印刷しながら、録りためた「新・映像の世紀」を1~3まで立て続けにみる。
すごい。
評判通りの、すばらしい出来だと思う。
映像自体も珍しいものが(前のと比べて)増えていて、そういうのをみる面白ももちろんある。ヒトラーの愛人とか。
しかし、第2集で目を向けたアメリカの巨大財閥のグローバルな戦争商売の話や、さまざまな戦争終結後に旧政権や支配者のシンパや協力者(兵士を相手にした娼婦も含む)が解放された側の勢力や一般市民から報復を受ける話(第3集)、ナチス・ドイツの科学者/学知を米ソ双方が戦争後に引き継いだ話(同)など、視野の広さや長さ、複雑さがすばらしい。
ただし、やっぱりヨーロッパ中心史観だなとは思うが。たしかに20世紀の歴史は欧米が引っ張ったし、(映像)資料の残りかたもそこ中心になるから、仕方ない面もあるが。けど、もうちょっとアジアや南米、中近東などにも目を向けてほしいな。
なお、参考までに私が一番うけたのは、第3集が終わって、別のNスペ番組「証言ドキュメント 永田町・権力の興亡 」の予告に切り替わるその瞬間。ファシズムの狂気が世界を地獄に突き落とし、収容所で文字通り幽鬼のように歩くガリガリに痩せ衰えた被収容者たちの背中に、「いいや、あなたたちは知っていた」(ユダヤ人虐殺について「私たちは知らなかった」というドイツ人の言葉に対して、被収容者が答えたセリフ)という言葉がオーバーラップする。その言葉に胸を貫かれてテレビ画面の前で呆然としていると、その問題の予告があらわれて、「わたしたちのアベさん」のご尊顔が大写しになる。
爆笑しました。NHKの中の人、good job。
がんばれ、NHK。
政権に日和る走狗どもに負けるな。応援してます。