読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

トーゴ氏近況


トーゴ氏は11月で3歳になった。


■精神的に最近ぐっと成長している感じがある。本人が最近使う用語で言うと「あかちゃん」と「おにいちゃん」というのがあって、甘えたいときは自分を「あかちゃん」だといい、自分が大きくなったときは「おにいちゃんだ」「三歳だから」と言う。そのように、振り子のように揺れながら、成長していくのだろう。


■3歳直前ぐらいにあった、成長を感じる一コマ。保育園で、先生がトーゴ氏用の「お誕生日カード」を作ってくれていた。トーゴ氏は同じ部屋にいて、そのようすをうかがっていたらしいのだが、先生が「とうくん見る?」と聞くと、「ハッピーバースデーまで見ない」と言ったらしい。以前、このブログで幼児には「タイムライン」がなく、「未来」がない、というようなことを書いたが、はっきりと彼の中に「未来」が生まれていることがわかった出来事だった。

未来を心の中に抱えると、子供は「楽しみに待つ」ということができるようになる。それはとても人間的で、かわいらしいことだ。


■かなり理性的になってきた。少し前まで制御のきかない小動物のようだったが、最近、「お父さん、怒るよ」「やめないと、どうなるかわかる?」「あと10数えるうちに○○しなさい」というような警告が、効くようになってきた。


■これは、これをやると怒られる、というルールやパターンが蓄積されてきたということも大きいだろうが、人の感情を読む能力が高度になってきたことにも由来していると思われる。今日、いうことを効かないので私がイライラし始めて乱暴に子供を扱うと「おとうさん、なんで怒っているの?」と聞いてきた。このパターンの質問は初めてだったので、少し驚いた。


■服の好みが出てきた。好きな服、好きな色がある。最近のお気に入りは、青色のトレーナー。白いラインと英語の文字で、ちょっとレーサー・ジャケットのような雰囲気があって、なぜか黄色の列車が小さく入っている。それが「0系のドクター・イエロー」(本人談。保守管理用の特殊新幹線車両です)に見えるらしい。


■少し親としての自分の事も書いておこう。子供が成長し心理が複雑になっていくということは、こちらもそれに応じて複雑な反応を返していくということになる。それを日々繰り返していくと、心理的な結びつきがどんどん強くなっていくように感じている。0歳も1歳も2歳もこどもは可愛かったが、3歳のこどもとは、相互の心の結びつき方が格段に深くなっている。親と子は心と体のキャッチボールをして互いに成長していくので、知らず知らずのうちに私自身の心と体が、彼という存在を組み込んだかたちで作り直されてきているのだと思う。

三歳児の父親になった私は、驚異的に我慢強くなり、他人の子供が怖くなくなり、子供の目線で世界を少し眺められるようになり、ミニカーやプラレールや相撲やかけっこで再び楽しく遊べるようになり、学生を親目線で見ることが増えて来(笑)、社会の問題を「次の世代」を意識して考えるようになった。

子供に注ぐ膨大な時間と注意とがあれば、どれくらいの仕事ができるか、ということを研究者としての自分は考えなくもない。しかし、ありきたりな感慨であるが、こどもと向き合うことで得ているものは、自分でもちょっとわからないほどに、大きいと思う。