日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

認知物語論キーワード

西田谷洋・浜田秀・日高佳紀・日比嘉高 共著、和泉書院、2010年4月、全108頁

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数年来やっていた物語論についての研究会の「報告書」のような位置づけ。認知と物語論をつなぐのは、思った以上に難航しました。とにかく、なんとかかんとかこの形にした、というのが個人的な体感。面白い課題で、今後も広がりのある領域です。関心は持ち続けていようと思っています。

紹介

構造主義的な言語観にもとづく従来の物語論は、コミュニケーションモデルとしての位置付けが不明確であり、また恣意性の概念を無批判に前提とするなどの問題を抱えている。本書は認知科学認知言語学のもたらす知見が物語論の再構築になにをもたらすのか、梶井基次郎桜の樹の下には」を例としながら検討する。認知研究と物語論の交点に立つ9つのキーワードに加え、文学研究、言語研究双方の立場からの論考2篇とブックガイドを付す。

[目次]

はじめに (日比嘉高)
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認知物語論の可能性―文学研究から見た― (日比嘉高)
認知物語論の可能性―言語研究から見た― (浜田秀)
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メタファー (浜田秀)
図と地 (日高佳紀)
ダイクシス (西田谷洋)
話法 (浜田秀)
視点 (日高佳紀)
語り (西田谷洋)
タイトル (日比嘉高)
主題 (日比嘉高)
ジャンル (浜田秀)
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〈ブックガイド〉認知物語論のいま (西田谷洋)
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おわりに (日高佳紀)
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参考資料 梶井基次郎桜の樹の下には」(全文)