著作権保護期間が70年に延長される方向らしい
著作権保護期間が70年に延長される方向だというニュースが流れている。文化的な自殺行為だということがわかっているんだろうか(怒)
著作権保護は原則70年で調整へ TPP
2月3日 4時15分 NHK News WebTPP=環太平洋パートナーシップ協定を巡って、交渉参加12か国は、これまで難航していた映画や音楽などの著作権を保護する期間について、公開や作者の死後から原則70年とする方向で調整を進めることになりました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150203/k10015166261000.html
著作権保護期間の延長は、限られた一部の企業(ネズミ王国など)を利するだけである。保護期間を70年にすれば、アーカイブ化に際する権利処理の困難さをさらに増加させるだけでなく、孤児著作物や死蔵作品の増加を招き、社会内における文化的制作物の活発な循環を低下させてしまう。
パブリック・ドメインの大事さは、「タダで使える!」という点にあるのではない。パブリック・ドメインになり、アクセス・フリーになったとき、「文化の再生産」に寄与する力が格段に上がる。死蔵作品は何も産まないが、利用自由な形で公にされた遺産は、新しいアイデアや創作を誘発する。
以下に、保護期間が延長さなかった場合、来年以降パブリック・ドメインになる作家等の例を挙げておく:
2016 谷崎潤一郎、江戸川乱歩、高見順
2017 鈴木大拙
2018 山本周五郎、壺井栄
2019 広津和郎
2020 伊藤整
2021 三島由紀夫
2022 内田百�瑶、平塚らいてう、高橋和巳、尾崎翠、志賀直哉
2023 川端康成
2024 大佛次郎、吉屋信子
2025 山本有三、花田清輝
2026 金子光晴、棟方志功、林房雄
2027 檀一雄、舟橋聖一、武者小路実篤、武田泰淳
2028 竹内好、村山知義、稲垣足穂
2029 柴田錬三郎
2030 福永武彦 などなど
青空文庫や国会図書館の近代デジタルライブラリに代表されるパプリック・ドメイン作品を使ったアーカイブは、国内だけでなく国外にも利用者が多い。ネズミ王国などを儲けさせる代わりに、何を失うのかよく考えたのだろうか(いや考えてはいまい:反語)。
なんとか巻き返せないかなぁ。無理か。 orz