日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

東アジアと同時代日本語文学フォーラム 2017ソウル大会、終了

少しだけですが、報告と写真がこちらから見られます。

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外地書店を追いかける(9)──台湾書籍株式会社と1930年代末の台湾書籍界

『文献継承』金沢文圃閣、2017年10月、第31号、pp.4-8

台湾書籍株式会社(以下、台湾書籍)の名で設立され、わずか二年で休業するに立ち至った、台湾の共販組織について考え、そのぶつかった困難のありさまから同時期の台湾書店界の様態、ひいては内地/外地を結んだ書物ネットワークの変容を照射する。

統制経済と書物流通──帝国の国策書籍配給会社(研究発表)

東アジアと同時代日本文学フォーラム 第5回、東国大学(ソウル)、2017年10月29日

だれが「国民の安全」を守るのか (ポリタス)

ポリタス衆院選特集に寄稿した記事が、遅ればせながら掲載されました。

だれが「国民の安全」を守るのか(日比嘉高)|ポリタス 衆院選2017ーーそれでも選ぶとしたら

この夏、戦時下の出版統制のことを調べたり、NHKの戦争がらみのドキュメンタリを見たりしながら、考えたことを書いています。

人の命は平等ですが、死は平等にはやってきません。戦争で地獄を見るのは、いつも「周縁」の人々です。
そして忘れてならないのは、「アメリカの戦争」からみたら(あるいは他の「大国の戦争」から見たら)、日本自体が「周縁」に過ぎないということです。

だれが“この国に住む人”──それは「国民」だけじゃないですよね──の安全を守るのか。
考えるきっかけにして下されば、幸いです。シェア、歓迎です。

内地/外地をまたぐ書籍流通史をめざして──転移・国策・ネットワーク (研究発表)

以下の研究報告を行います。

日本出版学会2017年度第4回(通算第102回)関西部会

日 時: 2017年10月21日(土)14時00分~16時00分
会 場: 奈良女子大学文学系S棟2階S227教室
        奈良県奈良市北魚屋西町

報告者: 日比嘉高名古屋大学大学院人文学研究科)
「内地/外地をまたぐ書籍流通史をめざして──転移・国策・ネットワーク──」

http://www.shuppan.jp/yotei/928-20171021.html

[要旨]
 今回の報告では、第二次世界大戦以前における内地外地をまたいだ書物の流通ネットワークの歴史を考える。外地向けの取次といえば、大阪屋号書店が著名だが、内地外地を結ぶ書物流通を担ったのは同店だけではない。流通網の形成と史的展開を駆け足でたどりつつ、今回はとりわけ1930年代~40年代にかけて観察される、書物流通の仕組みの他地域への〈転移〉の問題を考えたい。

第5回 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 2017 ソウル大会

本年も開催です。第5回。

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第5回 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 2017 ソウル大会
日程:2017年10月27日(金)~29日(日)
会場:高麗大学校(ソウル、27日)、東国大学校(ソウル28-29日)

特集テーマ:「言語圏とディアスポラ文学」
基調講演:フェイ・阮・クリーマン氏バイリンガル・ハイブリッド・テクスト」

関連する2つのシンポジウム、4つの関連パネルセッション、次世代フォーラム、自由パネル発表、自由個人発表があります。

詳細プログラムが公開されました。(10/12) → [こちらから]




詳細については、次の(1)から(3)のいずれかをご覧下さい。

(1)Facebookページ (情報の更新が早いです)
www.facebook.com


(2)高麗大学公式ページ (現在(10月10日)掲載されているプログラムは暫定版です。訂正更新します)
http://japan.kujc.kr/contents/bbs/bbs_content.html?bbs_cls_cd=002008002003&cid=17092813541173&bbs_type=B


(3)本ページでも順次告知いたします。

ETV特集「告白~満蒙開拓団の女たち~」がものすごかったから、本当に見て欲しい

8月の放送を見逃していたので、再放送を見た。
この夏のNHKの戦争関係のドキュメンタリは本当に名作揃いだった。「インパール作戦」のも「樺太引揚げ」のやつもすごかったが、私はこの「告白~満蒙開拓団の女たち~」が最高の作品だと思う。

見てない人は、ぜ っ た い に 見た方がいい。

www4.nhk.or.jp


一人の女性の告白をきっかけに、村の歴史に色んな人が向き合い始める。過酷な、そして口に出すのが憚られる歴史。女が、男が、息子が、証言を始める。資料が出て来る。つらい現実や事実が、てんこ盛りで出てくる。ここまでで充分すごい。引揚げ開拓団が作った、開拓団の中の性的「接待所」の歴史。

けど、一番この番組が凄かったのは、「戦後」も描いたことだと思う。番組は戦争を、終戦と引揚げで終わらせなかった。
「村のため」に犠牲を強いられた未婚の女性達が、おばあちゃんになるまで生きてきた70年を越える月日に、ちゃんと向き合った。

そのおばあちゃんたちの強さ。前向きさ。

歴史に向き合うってどういうことなんだろう。
人に言えないような「恥」を抱えて生きていくってどういうことなんだろう。
それを語るってどういうことなんだろう。
それを聞くとは、どういうことなんだろう。

この人たちは、ぜんぶ抱えて、でも前向きに生きてきた。きれいごとですまない歴史と人生を生きてきた。大半が穏やかになされる彼女たちの語りの奥にある壮絶な強さに、圧倒される。

「恥ずべき歴史」に向き合うことは、その人を強くするのだ、ということを、番組は教えてくれる。そしてネガティブな過去に向き合うことは、決してネガティブな行為ではなく、むしろそこから這い上がり、先へ進む、力強く、明るい(影を含んだとっても複雑な明るさだけれど)行為なのだということを、教えてくれる。

つらくて、悲しくて、苦しいけれど、しかし「人の強さ」のお裾分けがもらえるような、そんな番組だった。

オンデマンドとかで見られるようになるんだろうか。見逃した人は、本当にお薦めだからどうか見て下さい。
なお、見る時にはハンカチがいります。