日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

「鉄板イタリアン」と過ごす、ある昼休み

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ときどき、「これ」が唐突に食べたくなるのである。

1ヶ月ぐらい前から、あー食べたい、と思いながら日々過ごしてきたのだが、今日チャンスがあったので、「これ」を食べるならここと決まっていた、本山のBⅡに行こうとした。先週、この店には振られていたのである。行ったら休みだった。

今日、満を持して行くぜBⅡと気負いたったとき、なんだかいやな予感がして、ググった。
すると、BⅡ、夜だけの営業に変わってるじゃないか(怒)、マックスバリューに買い物に来てそのまま裏手のBⅡに入っていたおばちゃんおじちゃん(や俺)の昼飯はどうなるんだこら、と憤懣やるかたなかったが、しかたない。もうお前とは縁を切る。勝手に他にいい奴を見つけろ。

で、前から目を付けていた、大学近くの某店にくる。きっとここなら、「これ」がある。
ドアを開け、座っている人の大半が近所のおばあちゃんおじいちゃんおばちゃんと、昼休みのリーマン(サラリーマンの略。含む俺)であることを確認し、ほぼ自分の眼力に狂いがなかったことを確信しつつ、座ってメニューを開く。

ビンゴ。
「鉄板 イタリアン」

正確に言うと、俺が探していたのは、「鉄板ナポリタン」だったが、「これ」であるには違いないのでよしとする。

ザ・ナゴヤだな、とか。
野蛮ね、とか。
やはり田舎、とか。
昭和時代w、とか、
いろいろ雑音や嘲笑が聞こえてくる気がするが、かかってこい。
進化は挑戦の先にしかなく、文化の華は混淆の上に咲くんだ。

鉄板の上にサラダ油を敷いて、薄く卵を焼く。ソースは基本ケチャップだ。そしてタマネギとピーマンとグリーンピース。欠かせないのが、ソーセージだ。

この店にはないが、下手すると、トッピング、というブースターがついていたりするから、メニューはよく読んだ方がいい。
エビフライとかコロッケとかハンバーグとかそういうやつを、載せるのである。パスタの直上に。
しかも、(この店にはないが)ランチセットで、味噌汁(むろん赤味噌)が付随してきたりする。下手すると白飯もだ。

名古屋のめしは、基本、足し算だ。

運ばれてくる。
熱い。
濃厚。
隠し味になるのが、隣席のたばこの煙だ。
ランチタイムなのに、禁煙にしようという気配のかけらもないのが潔い。
私は普通禁煙席にしか座らないが、この客層を見れば、禁煙席の設置がどれだけ近隣住民の食環境を破壊するかがわかる。存分に吸いたまえ。この店を選んだのは俺だ。

それにしても、なぜこの店は「鉄板イタリアン」なのか…
これじゃ現代日本人は「いつ行っても誰が食べても間違いなくおいしいイタリア料理」だと思ってしまうじゃないか…
いや、まて、それをいうなら、「鉄板ナポリタン」だって、「いつ行っても誰が食べても間違いなくおいしいナポリ料理」じゃないのか…
いや、ここは名古屋だ。「名古屋名物台湾ラーメン」というのを掲げて、まったく疑問を持つことのない土地だ。イタリアンだろうが、ナポリタンだろうが、なんだっていい。「これ」が「これ」であればいい。

メニューを再度確認すると、
「鉄板 イタリアン」
「鉄板 ミート」
「鉄板 カレースパ」
「鉄板 焼そば」
とある。

「鉄板 ミート」というのは、鉄板で焼いた肉、のことではなく、ミートスパゲティのことであろう。ミートスパゲティというのは、ボロネーゼと言い換えるべきなのかもしれないが、もうどこまで言い換えたらいいのかわからなくなってきたので、やめる。
「鉄板 カレースパ」とはなんだ。。。カレーがかけてあるのだろうか。あるいはカレー味がつけてあるのだろうか。足し算もここまでくると、暗算が難しくなってくる。
「鉄板焼そば」、いや、焼きそばはそもそも鉄板で焼くのがデフォルトなので、これはむしろ一回転して先祖帰りしている気もするが、もうそろそろ疲れてきたので、無駄な脳力を使うのはやめよう。

今日、学んだこと。
この店のスパゲティの量は少ない。
次は大盛(+150円)にするべきである。