以下の本を頂戴しましたので、ご紹介いたします。
中央大学出版部から出はじめた一般向けの叢書の一つのようです。優れた明治文学研究者である著者とテレビドラマとがぱっと結び付かず最初面食らいましたが、議論のベースには、
近代文学の知見があるようです。フィクション論、ジャンル論、
ジェンダー論、空間論を説きながら、いかにテレビドラマ論を行うかを論じていきます。具体的な論に入ると、これまで自分が見たことのあるドラマが論じられたりしており、やはりこういうのは楽しいですね。そういう意味では、『
北の国から』が論じられていないのが残念!(笑)
漱石の研究書のように見えますが、(実際
漱石論が中心でありますが、)タイトルだけから判断するともったいない本です。第一章(この本は「章」が「部」のボリュームです)は、「書く読者たち」とされて、作文、文範、美文、紀行文が論じられています。第二章も、
漱石論ですが文体を主軸としたジャンル論。第三章「小説と恋愛」でも漢文脈の問題が論じられたりしていて、明治期の小説と「文」の問題を考えるためには避けて通れない成果になっていると思います。神戸大に提出された博士論文をベースとしています。神戸大の明治研究はやっぱりいいなぁと思います。