日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

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 〈文芸と人生〉論議の再構築――青年思潮と〈人生観上の自然主義〉から――

1999年度日本近代文学会秋季大会,活水女子大学,1999年10月23日

〈自己〉を語る枠組み

1999年度筑波大学比較・理論文学会6月例会,筑波大学,1999年6月28日

創刊期『太陽』の挿画写真――風景写真とまなざしの政治学――

『植民地主義とアジアの表象』筑波大学文化批評研究会編集・発行、1999年3月、pp.61-87 [紹介] 明治28年創刊の総合雑誌『太陽』は、日本の雑誌が写真をその誌面に取り込み始めた初期の例である。日清戦争期に現れたこの巨大雑誌が、どのような外国像・日本…

文芸用語としての「モデル」・小考――新声社と无声会――

『文学研究論集』第15号、1998年3月、pp.77-95 [紹介] 現在われわれが普通に用いる、「この小説のモデルになった人」などといういい方は、どのようにしてできたか。文芸用語としての「モデル」の社会的な流通の1パターンを、明治30年代の出版社兼文学集団…

帰国直後の永井荷風――「芸術家」像の形成――

『日本語と日本文学』第26号、1998年2月、pp.21-33 [紹介] 一人の作家の「イメージ」がどのように形成されたのか、永井荷風を例にとって考える。アメリカ・フランスでの生活を終え明治41年に帰国した荷風は、当初は無名の青年作家だった。その荷風が自然主…

近代日本自画像史の試み――東京美術学校の卒業製作制度と『校友会月報』から――

1997年度筑波大学比較・理論文学会大会,筑波大学,1998年2月24日

「モデル問題」とメディア空間の変動――作家・モデル・〈身辺描き小説〉――

初出、『日本文学』No.536、1998年2月、pp.10-21 のち、和田敦彦編『読書論・読者論の地平』(日本文学研究論文集成47、若草書房、1999年9月、pp.185-200)に採録 [紹介] 明治40年後半に起こった、小説のモデルをめぐる道義的論議「モデル問題」を、読書慣…

「蒲団」の読まれ方、あるいは自己表象テクスト誕生期のメディア史

『文学研究論集』第14号、1997年3月、pp.67-90 [紹介] 日露戦後、作家自身が作中人物として登場する小説が増える。こうした事態が起こった経緯を、田山花袋「蒲団」に対する発表当時の読解のようす、作家たちの自己表象への認識などから追究し、小説ジャン…

機械主義と横光利一「機械」

『日本語と日本文学』第24号、1997年2月、pp.12-26 [紹介] 横光利一の小説「機械」が、同時代の文化現象としての〈機械主義〉とどのような相関をもっていたのかを明らかにする。文学のみでなく、板垣鷹穂の美術論や写真・絵画テキストも視野に入れ、機械に…