日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

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移民の想像力――渡米言説と文学テクストのビジョン――

『JunCture』第1号、2010年1月1日、pp.48-63 [要旨]

スポーツする文学――1920-30年代の文化詩学

疋田雅昭・日高佳紀・日比嘉高 編,2009年6月22日,青弓社 執筆者や各論文のタイトルほかの紹介は、以下の版元ドットコムのページで見られます。 http://www.hanmoto.com/bd/ISBN978-4-7872-9189-9.html 【楽天ブックスならいつでも送料無料】スポーツする文…

近代日本メディア人物誌――創始者・経営者編

土屋礼子編著、ミネルヴァ書房、2008年6月20日、「佐藤義亮」p.137-144を担当 【楽天ブックスならいつでも送料無料】近代日本メディア人物誌(創始者・経営者編) [ 土屋礼子 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 3,024円楽…

船の文学――『あめりか物語』「船室夜話」――

『文学』第10巻第2号,2009年3月,pp.41-49 「荷風没後五〇年 虚像から実像へ」という特集に寄稿したもの。

「モデル小説」の黄昏――柳美里「石に泳ぐ魚」裁判とそれ以後――

『金沢大学国語国文』第34号,2009年3月,pp.124-132 金沢大時代の恩師、上田正行先生の退官記念特集号に書かせていただいたもの。

望郷のハワイ――二世作家中島直人の文学――

『文学研究論集』第27号,2009年2月,pp.219-238 [要旨] 本論文は、ハワイ生まれの二世作家中島直人を再評価しようと試みたものである。中島は、ハワイの日本人学校と公立学校で教育を受け、その途中で日本へ渡日している。その後早稲田大を中退し、小説を…

アメリカへ渡る法――明治期の北米移民送出言説――

筑波大学総合文学領域 国際シンポジウム「帝国の学知と表象――朝鮮、台湾、北米――」,筑波大学,2009年2月21日 [要旨] 明治中期から後期にかけ、人々をアメリカへといざなった言説を分析した。この種の言説といえば、植民論・移民論や渡米案内書に注目が集…

〈コラム〉鉄道と関西文化圏

『横光利一と関西文化圏』,田口律男ほか編,松籟社,2008年12月,pp.183-185 「共著」のカテゴリに入れてあるが、正確には「その他」に分類すべき量と思われるコラム。宣伝も兼ね、ということで。 横光利一と関西文化圏作者: 黒田大河,島村健司,杣谷英紀,田…

身体・空間・心・言葉──梶井基次郎「檸檬」をめぐる──

『佛教大学総合研究所紀要別冊 京都における日本近代文学の生成と展開』2008年12月、105-122 [要旨] 梶井基次郎の「檸檬」を題材とし、身体と空間と心との取り結ぶ関係を、小説の言葉がどのように捉えたのかを考察した。街の上をさまよう青年を描く小説に…

〈自己表象〉の文学史――自分を書く小説の登場―― 私小説文献目録増補版

翰林書房、2008年11月5日、290頁 第二版がでました。2002年に刊行した初版がここ数年ずっと品切れ状態で、古本屋でも買いにくい状態だったので、著者としては大変嬉しく思っている次第であります。翰林書房さんのご好意で、単なる再版ではなく、私小説文献目…

北米日系移民と日本書店――サンフランシスコを中心に――

『立命館言語文化研究』20巻1号、2008年9月、pp.161-177 [要旨] 移民地と〈内地〉日本の間の人・モノ・情報の流れを考察する作業の一環として、サンフランシスコの日本書店の歴史と役割について調査・分析した。日本書店は新刊書はもちろん新聞や雑誌を顧…

《座談会》一人称という方法

『文学』第9巻第5号、2008年9月、pp.2-31 座談会デビュー・・・。安藤宏さんを司会に、猪狩友一さん、鈴木啓子さん、佐藤秀明さんとご一緒でした。 いろいろ非常に勉強になりましたが、初経験だけにいろいろしんどかった。蛮勇をふるって出席した結果、個人…

破船事件と実話・ゴシップの時代

『文学』第9巻第5号、2008年9月、pp.75-87 [要旨] 久米正雄、松岡譲、漱石の長女筆子の間で起こった恋愛事件を破船事件という。この名前の元となった久米正雄の失恋小説「破船」、およびそれを松岡側の視点から描いた「憂鬱な愛人」を検討の対象としつつ、…

〈書評〉川口隆行著『原爆文学という問題領域』

『図書新聞』2882号、2008年8月16日、5面 川口さんの『原爆文学という問題領域』についての書評を『図書新聞』に書きました。ちょっと前に「勝手に書評」などと言って書いたエントリの書き直し版になっています。この前のエントリ、舌足らずなところがあって…

鉄路の道行――近江秋江「舞鶴心中」

『國文學』第53巻6号、2008年4月号、臨時増刊号「旅、鉄道、そしてエッセイ」 2008年4月20日 pp.51-58 http://www.gakutousya.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=0172 [要旨] 心中の道行は、近代に入りどのような展開を迎えたのか。近松秋江の「舞鶴心中」(1915…

データ・マイニングの地平 〈書評〉荒木正純著『芥川龍之介と腸詰め』

『図書新聞』 2862号、2008年3月15日 4面 書評を書かせていただきました。出たばかりなので、さわりだけ紹介。 〔…〕 〈鼻〉をめぐる著者の「地図」は、だが、にもかかわらず面白いのだ。それは「地図」の作成法そのものに、秘密の一端があるのではないか。…

「文壇」は閉じているか――大正文壇・交友録・芥川「あの頃の自分の事」

『国語と国文学』第85巻第3号、2008年3月、pp.41-55 [要旨] この論考は、大正期の小説の表象が、人々の――とりわけ作家たちの――〈私的な領域〉をいかに描き、覗き、侵犯したのかを考え、同時にこれまでの研究がそうした表象の果たした役割として“文壇の境界…

テクストたちの旅程――移動と変容の中の文学――

筑波大学文化批評研究会 編 (著者代表:名波弘彰・荒木正純、編者:内田康、中根隆行、波潟剛、日比嘉高、李志炯) 花書院 2008年2月23日 発行 定価 2200円 ISBN 978-4-903554-27-3 以下の論文を寄せています。 移植樹のダンス――翁久允と「移民地文芸」論 p…

〈書評〉真銅正宏著『小説の方法――ポストモダン文学講義』

『日本文学』No.653, 2007年11月, pp.96-97 「萌(も)え」か「萌(きざ)し」か、それが問題だ。 私は思った。むろん、些末なことだ。が、著者自身ジュネットの『スイユ』を引きながらいうように、読者はパラテクストを参照しながら「読みの制度にどっぷり…

鉄道――関西近代のマトリクス

日本近代文学会関西支部編 和泉書院 2007年11月 定価945円(本体900円) (いずみブックレット1)A5・並製・64ページ・ISBN978-4-7576-0437-7 鉄道―関西近代のマトリクス (いずみブックレット)作者: 日本近代文学会関西支部出版社/メーカー: 和泉書院発売…

北米移民地における日本書店――サンフランシスコの場合――

立命館大学国際言語文化研究所/日本人の国際移動所研究会 連続講座「国民国家と多文化社会」第18シリーズ「環太平洋における移動と労働」第3回「近代書籍流通:日本語の交差(日本・北米・南米)」,立命館大学 [要旨] 「本は流れる」と題した著作を書いた…

声の複製技術時代──スポーツ実況放送と活字メディア──

第一回公開ワークショップ「スポーツする文学」,立教大学 [要旨]スポーツ・ジャーナリズムは、ラジオの登場以降、既存メディアとの競合時代を迎える。このとき、松内則三など人気アナウンサーの〈声〉が、諸メディアの競合の焦点となった。ラジオ放送の録音…

『文学で考える 〈日本〉とは何か』

知人たちと一緒に作った、短篇小説のアンソロジーが刊行されました。大学や短大でテキストとして使えるように編集したものです。双文社からでています。 http://hw001.gate01.com/soubun/ 飯田祐子・日高佳紀・日比嘉高 編 A5判並製/200頁/ISBN978-4-88164-0…

傍流に生きる──菊池寛「身投げ救助業」と琵琶湖疏水

『佛教大学総合研究所紀要』第14号,2007年3月,pp.21-33 文学テクストの分析によってしかわからない土地の風景を、また逆に、土地を読むことによって新たに浮かび上がる文学テクストの姿を、追求してみようとした試みの一つである。具体的には、菊池寛「身…

檸檬の空間論

佛教大学総合研究所基礎研究「京都における日本近代文学の生成と展開」第十六回研究会,佛教大学

 中村三春著『係争中の主体 漱石・太宰・賢治』

書評・『日本近代文学』第75集、2006年11月15日、pp.297-300 [全文を読む]

絡みあう「並木」──日本近代文学と日系アメリカ移民の日本語文学──

『京都教育大学紀要』第109号, 2006年9月, pp.143-154 [紹介] 本論文は、日系アメリカ移民の日本語文学と日本近代文学との関係を考察するものである。日系アメリカ移民の第一世代──一世──は、早い時期から太平洋をまたぐ出版流通網を整備し、「日本語空間…

転落の恐怖と慰安──永井荷風「暁」を読む──

『京都教育大学 国文学会誌』第33号, 2006年6月, pp.33-45 [紹介] 永井荷風の滞米時代を、一時滞在の旅行者、傍観者として捉えてきた先行論に対し、〈在米日本人〉コミュニティの中に生き、〈在米日本人〉としてあったものとして再考する。この視点からす…

永井荷風『あめりか物語』は「日本文学」か?

『日本近代文学』第74集, 2006年5月, pp.92-107 [紹介] 永井荷風は1908年に帰朝し、その後没するまで日本で活動した。だがもし彼が帰国しなかったとしたら、在米中に書きつがれた彼の『あめりか物語』はいったい何文学とされていたか? 20世紀前半の北米移…

 内藤千珠子著『帝国と暗殺──ジェンダーからみる近代日本のメディア編成』:もしくは「言説分析」とポストコロニアル批評についての自問自答

書評・『日本文学』No.635、2006年5月、pp.78-79 [全文を読む]