昨日、エクセルで管理している文献リストを、論文末の参考文献一覧的なスタイルに Chat-GPTに直してもらった話を書いた。 それを Facebookでシェアしたところ、MLA 準拠の文献一覧を、Chicago Manual 方式に変換とかできるのでしょうか、という質問をいただ…
Chat-GPT3が話題になり始めたとき、シラバスを書かせてみたり、文学者クイズを答えさせてみたりして、すごいなぁ、けどまあ仕事には使えんな、と思っていたのだけれど、最近認識を改めつつある。こやつ、助手として、ものすごく優秀だ。たとえば今日は、参考…
歴史上、『万葉集』がもっとも政治的・社会的影響力をもったのは、日中戦争・太平洋戦争の時代だった、と著者はいう(286)。万葉学史の専門家でもある小松さんの言である。小松さんは、2016年から「戦争と萬葉集研究会」を立ち上げ、この歌集が戦争に向かう社…
www.hanmoto.com近年出た近代文学、戦後文化史関係の研究書では、最良の成果の一つだと思う。近代文学研究の現在の議論の水準、関心の持ち方がどのあたりにあるのか。隣接分野の方にも、この分野の大学院生たちにも、テーマの遠近を問わず読んで欲しい。内容…
[目次] 1.文芸用語「私小説」の使用頻度を調べる 2.複数の検索語彙を重ねて表示させる 3.「私小説/心境小説/本格小説」 4.「私小説/純文学/通俗小説」「通俗小説/大衆小説」 5.「探偵小説/歴史小説/家庭小説/私小説」 6.冷静になってちょっと…
週末は、日本近代文学会の大会であった。2年ぶり以上の対面開催である。参加しての雑感を残す。 昔、ある先輩研究者が、 「私は学会に、ああなんて自分は不勉強なんだ、というのを思い知るために来るんだ」と言っていた。所属大学で教えているだけの生活を…
昨日、ひさしぶりに小規模の学会が、対面とオンラインの併用であった。私はコメンテータを引き受けていたので、会場まで出向いた。京都での開催。対面、すごくいいなと再確認してきた。どんなところがよかったか。❶「ついで」がいろいろできる/起こる 久し…
近現代文学研究に関係する文献の集め方を説明したページとして、[演習発表用]文献の集め方を公開しています。 今回、このページを利用しながら解説する動画を4本作成し、Youtubeで公開しました。 どうぞご利用下さい。youtu.beyoutu.beyoutu.beyoutu.be …
新学期に合わせ、近現代文学研究の分野においてどのように参考文献を集めるのかについて説明した以下2サイトを更新しました。「演習~」の方が学部生向けの入門サイト、「近現代文学研究~」の方がその発展版です。 主な変更点としては以下になります。 全…
濱口竜介監督の「ドライブ・マイ・カー」を見てきました。面白かったので、ちょっと感想を書きます。ネタバレがいやな人は、以下は読み進めず、そのままページを閉じて下さい。特に遠慮せずに書いていますので。以下は、映画「ドライブ・マイ・カー」を、ゴ…
あけましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いします。年越しの夜に訪れた寺でいただいた小さな虎。 この虎の中には、おみくじが入っていました。 小吉。 「旅行 行ってよろし」と書いてありました。 幸先の良いことば、と信じることにしました。…
Yoshitaka Hibi. in PAJLS (Proceedings of the Association for Japanese Literary Studies), vol.19, 2019: 14-25. (published in 2021) アメリカ日本文学会の予稿集に掲載された論文です。戦前外地の書物ネットワークに、日本の大学改革の話が接続すると…
日比嘉高編、三弥井書店、2021年7月、254頁、他共著者11名 編著が出ました。昨年(2020年)12月に名古屋大学国語国文学で行ったシンポジウム「疫病と日本文学」をもとに、名古屋大関係者12名があつまって刊行した論文集です。2020年に始まった新型コロナウイ…
現在、名古屋大学大学院人文学研究科では、オンラインの大学院説明会を行っています。 私の所属する日本文化学でも、メールやZoomによる個別相談を受け付けています。 詳細は、以下のページをご覧下さい。 https://www.hum.nagoya-u.ac.jp/examination/exami…
『日本学報』韓国日本学会、Vol.125、2020.11、pp.1~19 韓国日本学会の第100回大会シンポジウムで報告をさせてもらった多和田葉子論が、論文になりました。以下から全文が読めます。ご笑覧ください。(全文)環境と身体をめぐるポスト・ヒューマンな想像力 ─…
ここのところ食べる餌の量が目に見えて減っていたから、予期はしていた。夕食の後、リビングの隅に置いたケージを覗きに行くと、餌の減りがさらに少なかった。あいかわらず彼は巣の中に入り込んでいて姿を見せない。あまりに変化のない餌箱に、ふと不安を感…
現代詩手帖、第63巻第11号、2020年11月、pp.40-44 坪井秀人さんの『二十世紀日本語詩を思い出す』(思潮社)の刊行を記念した特集に寄稿しました。内容は副題の通りなのですが、自分としては、『怒濤』という収容所の中の同人誌に発表された句 置去りの犬に…
新曜社、2020年8月12日、308頁 書評 図書新聞 2020年9月26日 書評 日比嘉高 著『プライヴァシーの誕生』@図書新聞 2020年9月26日号: 新曜社通信 毎日新聞 2020年9月26日 今週の本棚:『プライヴァシーの誕生 モデル小説のトラブル史』=日比嘉高・著 - 毎日…
Fechner, Matthias, and Henrieke Stahl, eds. Subjekt und Liminalität in der Gegenwartsliteratur, (Bern, Switzerland: Peter Lang D, 2020) accessed Oct 8, 2020, https://doi.org/10.3726/b17545世界の現代詩を研究するトリア大学(ドイツ)のチーム…
「科研費採択課題を対象とした研究課題の計量テキスト分析──日本文学の場合」『社会文学』第52号、2020年8月、pp.89-100 私としては、初めての計量テキスト分析の論考、つまりコンピュータを用いて、テキストデータを量的・統計的に分析したものになります。…
『すばる』第42巻9号、2020年8月、pp.144-151(9月号)、特集「表現とその思想、病をめぐって」 すばる9月号はコロナなど感染症と文学の特集です。私も「パンデミック小説の地図を書く」という拙文を書いています。これまで言及されるのは海外小説か、日本の…
出来!!!!日比嘉高『プライヴァシーの誕生 モデル小説のトラブル史』新曜社書店にはお盆明けぐらいから出るはず。編集は今回も渦岡謙一さん。本当にお世話になりました。装幀は難波園子さん。クールかつ印象的なのを作って下さいました。 pic.twitter.com…
コロナ禍の中の大学キャンパス この記事は、Twitterで「#大学生の日常も大事だ」というハッシュタグが注目を集めている中で書いています。最初、以下で紹介する私の授業アンケートの結果と、ハッシュタグで並ぶ大学生たちの訴えは、けっこう違うな、という感…
名古屋大学大学院人文学研究科の大学院説明会は、オンライン(動画やメール、ZOOM等)で行われます。私や飯田祐子さんの所属する日本文化学講座の受験をお考えの皆さんは、ぜひお立ち寄り下さい。日本文化学講座の個別相談もあります。 メールでの受付期間は…
『人文学研究論集』名古屋大学、第3号、2020年3月、pp.335-350 Title: Book distribution and the controlled economy: On the national book distributors of the Japanese Empire後日、以下の名古屋大学附属図書館のリポジトリで、全文が読めるようになる…
『Intelligence』20世紀メディア研究所、第20号、2020年3月、pp.102-117 Title: Bookstores in Manchuria before the establishment of Manchuria Book Distribution Co., Ltd.和文要旨: この論考では、「満洲」における日本語書籍の小売史を考える。主たる…
ほぼ2年ぶりぐらいに、自分自身のウェブページ「近現代文学研究関連の情報収集」と「[演習発表用]文献の集め方」を更新しました。park18.wakwak.com park18.wakwak.comどちらも、近現代を中心とした日本文学研究に関わる文献収集のためのリンク集とその解…
『すばる』42巻5号、2020年4月6日、pp.318-319 すばる五月号に、李琴峰さんの『ポラリスの降り注ぐ夜』の書評を書きました。 出だしはこんな感じ。ぜひ手に取ってみて下さい。 セクシュアル・マイノリティたちの生と性をめぐる物語と言ったらよいのだろうか…
Twitterやネットで書き散らしていると、たまに面白いことが起こります。この状況のなかでハンコを求められる日本の習慣にTwitterで文句を言ったら、バズったんです。そしたら、ニューヨークタイムズの記者が来た。(笑)記事の下の方で、文句を言っています…
『JunCture』11号、2020年3月、pp.186-189 あいちトリエンナーレ2020のレビューです。以下から全文がご覧いただけます。doi.org