日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

2歳児との、或るホラー・ナイト


と 「お化けがきたよー」
父 「なに?」
「お化けがきたよー」
(風呂を出た脱衣場でバスタオルを被っている)
「ふーん、お化けなんだ。」
「影が壊れた。」
「なに?」
「影が壊れた。」
「…。」
「とうくんの影が壊れた。」
「…うん。」
「人形。」
「うん?」
「人形。赤い。」
「…。」(多少気味が悪くなってくる)
「のんのんあんして。」(*注)
「のんのんあん?」
「うん。」
「のんのんあんするの?」
「うん。」とうなずき、「影する。」
「?」
「影する!」
「どうするの?」
(バスタオルを照る照る坊主のように自分に巻き始める)
「できん!」
「はいはい… (巻く)いい?」
「いい。のんのんあんする。」
「これでのんのんあんするの?」
「うん。」
「はい。」
「違う。こう。(合掌して頭を下げる)」
「…はい。(拝礼) いい?」
「うん。」うなずいて「とうくんの影が壊れたの。」
「うん…。」



  • “のんのんあん”とは、仏閣・仏壇などにおいて拝礼することを指す幼児語
  • 終始表情はにこやか
  • 発音の漢字化は父による
  • もしかしたら、何かの絵本でもふまえているのかもしれないが、不明。少なくとも家には類似の話の本はない
  • 写真はイメージです(笑)