日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

「諸君の位置」、作品論の位置――付 シラー「地球の分配」(小栗孝則訳)

太宰治研究』21、和泉書院、2013年6月19日、pp.125-131

「作品論」をせよ、という編集部からの指示によって書いたが、評論を対象にした「作品論」がとはなんぞや、ということに思い悩み、そして枚数も少ないので、〈論文〉ではなく〈その他〉とカテゴライズしておく。

「諸君の位置」は太宰が文化学院の学生相手に書いた文章である。シラーを参照しながら学生を叱咤している。ちなみに、同工異曲の評論として、やはり慶応の学生相手に書いた「心の王者」というのがある。どちらも、私にはいい加減な書きっぷりに思えるのだが、はてさて。ともあれ、太宰、苦しみつつ勉強させていただきました。