日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

本年もなにとぞ

みなさま、旧年中は大変お世話になりました。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
年賀状を下さった方々、当方、今年は喪中でありました。追って寒中見舞いにてご返信申し上げます。ご連絡が行き届かず、失礼いたしました。

   *

清水義範の小説に、だんだんと疎遠になっていく知人同士の仲を、年賀状の往復の文面だけで表現した笑える短篇があったが(タイトルは失念)、私の年頭の辞も時系列で並べると笑えるかもしれない。いや、私自身は笑えないのだが。。。

2012年は『〈自己表象〉の文学史』を出してから10年目に当たる。そのあと次の単著を出すべく、しつこく頑張ってきたつもりだが、いまだかたちにはなっていない。去年、焦るのはやめようと田原(ティエン・ユアン)の言葉を引きながら書いたところで、その気持ちは同じだが、まあ、あとちょっとというところまでは来た、と思う。

少し前にたまたま読んだ四方田犬彦の文章に(タイトルは失念)、自分がなぜこんな速いペースで文章が書けるのか、ということを説明していた箇所があった。要は、常に継続的に書く、ということだった。当たり前。が、それを実行できると彼のような多作家になれる。音楽でもスポーツでも、練習をサボると一気になまる。研究はそれとはリズムが違うし、多作家がよいともかぎらないが、しかし、ブランクを置かないということは重要だととみに思う。なにせ、記憶力が落ちる一方だから(笑)

記憶力はもういかんともしがたいが、たしかに忙しいときほど能率や生産性が上がる、ということはこれまでも経験してきた。逆に、さあ、二週間ゆっくり使える、とかなると、とんと捗らない。

思考の基礎代謝、というか、脳のエンジンのベースの回転数みたいなのを上げたままに保つのは、きっと大切なことであるに違いない。

というわけで、今年の標語はこれだ。「アイドリング・ノン・ストップ」(笑) がんばるぞ〜