日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

JSTORにびびった話

今日、大学でPCを使って文献の調べ物をしていたら、知らない間にJSTORのページに入り込んでいた。私は日本文学の研究者なので、あまり英語文献は参照しないが、テーマによっては読むことがある。で、恥ずかしながらJSTORの存在もぜんぜん意識していなかったのだが、使ってみてびびった。

ある文献をググったら、pdfで論文の本文が表示されるページにたどり着いて、お、ラッキーと思って読み進め、最後の文献目録のページまでたどり着いたら、なんか色の付いたマークが文献のところに付いている。もしや、とおもってクリックしたら、その参照している文献に飛んだ・・・ で、pdfでその文献が表示された。それがJSTORだった。・・・・・・すごい。便利すぎる・・・

ご存じなかった方は、今度大学の図書館や研究室などから、やってみられてはどうだろう。(契約制になっており、契約していないPCからは見られないようです)
http://www.jstor.org/action/showAdvancedSearch

JSTORとはなんぞやについては、紀伊國屋書店に説明があった。
http://www.kinokuniya.co.jp/03f/journal/jstor/jstor.htm

この手の海外のデータベースには詳しくないが、きっと類似したものは他にもいくつかあるのだろう。

こういうのって、日本語の論文データベースではできないものか…。最近、大学の紀要なんかではpdf公開するところが増えているし、pdfのある箇所からリンクで飛ぶことそのものはぜんぜん簡単だし、あとはそのリンクを埋め込む手間と、リンク先の論文に効率的に飛ぶ仕組みを構築する方法の設計なわけだが。Ciniiのデータベースとかって、きっと個々の論文に固有のidとかつけているんじゃないかと想像するんだけど、そういうidを基礎にすれば、効率的に飛べる仕組みとか作れないんだろうか。

うう、うらやましい。

中国や韓国の留学生たちと話していると、完全に日本の論文データベースのデジタル環境は後進国状態だ。べつに競争をするようなものではないが、遅れている理由は、技術の問題じゃなくて、人的環境の問題じゃないかという気がなんとなくする。著作権をはじめとする権利関係の問題をクリアしようとして、異論が噴出して暗礁に乗り上げ、先送りされるという・・・

なんとかならないものかなぁ。うう、うらやましい。

妄想ついでに書いておくと、日本の論文データベースでこういうのを構築するときは、原則無料にして欲しい。お金の差が研究環境の差に直結するような状況を、拡大させちゃいかんと思う。