日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

馬籠の宿


馬籠に行ってきた。

馬籠には、たぶん子供の頃家族で行っているはずだが、大人になってからは行ったことがなかったので、ほぼ初訪問に近い感じだった。私はたまに学生と「文学散歩」をやるのだが、これも「先生、いきましょう」というありがたい人が出てくれたおかげで、実現したツアーである。

馬籠といえば、言わずと知れた藤村先生であり、『夜明け前』である。せっかく行くのだから、と、読み返したが、やはりスーパー名作であることを再確認。以前読んだときよりも段違いに面白かった。どう面白かったかは企業秘密だが(ふふふ)。


木曽はやはりよい。私は名古屋の人間だが、名古屋の人間は木曽になんとなくつながりを感じている(はず)。中山道は遠い昔となったが、いま中央線があり、中央道があり、国道19号がある。なんとなく、日本列島の中央の山塊に、尾張平野というのがつながっている/あるいはそこから来ている、という体感がある。とくに山や森に行ったり、スキーやボードをする人間はそうだろう。

自分の住む平野の街の文化とはまったく違うが、しかし遠く隔絶した山の奥の文化でもない。中山道木曽最後の宿は、その地形からして平野と山の境にある。

興味深く、そして美しいところだ。