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日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

最近いただいた本

無駄話


 すでに「最近」でもなくなってしまっているものも多いですが、遅ればせながら御礼をかねて紹介します。



少女少年のポリティクス

少女少年のポリティクス

明治前期、昭和モダニズム期、総力戦期、現代マンガとジェンダー、という4つのパートからなる。メディアと表象の観点から「少女」「少年」の造形の力学を分析した論文集。


谷崎潤一郎―境界を超えて

谷崎潤一郎―境界を超えて

谷崎潤一郎についての論文集。2007年にパリで行われた谷崎潤一郎についての国際シンポジウムの成果に基づく。研究の本拠地も分野も異なる、18名の研究者の論が並ぶ。


近代文学の領域―戦争・メディア・志賀直哉など

近代文学の領域―戦争・メディア・志賀直哉など

池内先生の最近のご業績を集めた単著。筑波大時代にリアルタイムで触れていた論考も多く、個人的にはいろいろ思い出しながら読んだ一冊。戦争とメディアを軸に、『日露戦争実記』や『爪哇日報』などについての精緻な論考が並ぶ。


メディアの中の子ども (中京大学文化科学叢書)

メディアの中の子ども (中京大学文化科学叢書)

奇しくもこれも、メディアのなかの子ども表象を考えた論文集。童謡、孝子貞婦物から、児童向け全集・歴史小説、教材論、さらにはマンガまで。


モダニティの想像力―文学と視覚性

モダニティの想像力―文学と視覚性

中川成美さんの単著。文学を読むことと「視角性」そして「情動」との関係を考察した力の入った序章にはじまり、明治から現代までの多様な文学テクストと映画テクストの分析、そして問題提起的なエッセイを含む。最終章の「同じテクストを読む――日本文学研究と日本文学」は、共感するところや考えさせられるところが多かった。

戦後詩のポエティクス1935~1959 (世界思想ゼミナール) (SEKAISHISO SEMINAR)

戦後詩のポエティクス1935~1959 (世界思想ゼミナール) (SEKAISHISO SEMINAR)

戦後詩を概観する一冊。個別の詩人の研究としてももちろんだが、戦後詩へのブックガイドとしても、入門書としても読める。労作である。関係した何人かの苦労話を聞いているだけになおさらその感深し・・・・

『ひたむきな人々−近代小説の情熱家たち−』
編者 木田隆文、田村修一、外村彰、橋本正志
頒価 2,200円 (税込み・送料別)
制作 龜鳴屋
発行 2009年4月
カバー画・扉画 グレゴリ青山、扉版画 高橋輝雄

http://www.spacelan.ne.jp/~kamenaku/

 近代小説のアンソロジー。大学・短大などの教科書に仕えると思うが、むろん一般の読者が手にとっても面白く読めるだろう。
 しかし龜鳴屋さんという書肆ははじめて知ったけれど、面白い造本をする。本を作ることへの愛を感じます。金沢には、金沢文圃閣もあり、やはりこういう地場の文化力が備わっている。
 ちなみにこの本、続編があり『したむきな人々』と言うらしい(笑) こっちが本当は出したかったんだろうと勘ぐる。私は好きだ。


世界文学のなかの『舞姫』(理想の教室)

世界文学のなかの『舞姫』(理想の教室)

西さんの「舞姫」読解。氏でないとできない思考の跳躍(むろん良い意味で)と視野の広がりとを備えた論考。正直言ってタイトルはもっと面白くならんかったのかと思うが、内容は凡庸じゃあない。ありきたりの「舞姫」論に厭き厭きした人は、ぜひ読まれたし。