日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

 サンフランシスコの日本語空間──一世文学の成立基盤を考える──





マイグレーション研究会,大阪商業大学,2005年10月1日

[要旨]

移民地と〈内地〉日本の間の人・モノ・情報の流れを分析する一環として、一世文学成立の基盤となった移民地の日本語環境について考察した。とりわけ、今回はサンフランシスコの日本書店の登場と役割について注目した。日本書店は新刊書はもちろん新聞や雑誌を顧客達に直売もしくはカタログ販売する取り次ぎ拠点となっていた。これは、日本とのつながりを保つ役割を果たした一方、移民たちの「内向き」志向を維持する負の側面をももっていたと考えられる。