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日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

絵の様な人も交りて展覧会──文学関連資料から読む文展開設期の観衆たち── 




『美術展覧会と近代観衆の形成について』(平成11-13年度科学研究費補助金(萌芽的研究)研究成果報告書、研究代表者 五十殿利治、課題番号11871009)、2002年3月、pp.23-36


[紹介]

文部省美術展覧会(文展)の観衆を、文学資料──小説・文芸雑誌の記事・川柳などをあつかった──を検討することにより分析する。通常の美術関連資料だけを用いていては「見えにくい」観衆を、ある程度まで可視化しようとした試みである。美術の大衆化のはじまりと評価される文展には、その当初から多様な種類の観衆が集まっていた。これを四層に切り分け、それぞれ文学資料の分析により浮かび上がる特質を指摘した。また、文展という作者・批評家・メディア・画商・国家・観衆がからみあって成立しているシステムが、いかに人々を「観衆化」したのかという考察も行った。