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日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

〈文芸と人生〉論議と青年層の動向  


『日本近代文学』第65集、2001年10月、pp.150-162

[紹介]

 「芸術と実生活」「実行と芸術」などとも呼ばれる自然主義文壇を代表する論争、〈文芸と人生〉論議を、青年層の動向に着目することによって再検討する。論争の過程で「観照」派とされる花袋・天渓・抱月らの姿勢が変化していった背後には、文芸と人生の「一致」を理想とする青年たちの指向性があった。彼らの傾向は、明治30年代から引き続く〈人生観論〉の系譜に、自然主義という新しい思想動向が接続されることによって形成された。〈文芸と人生〉論議の推移は、著名文学者と青年層の双方を視野に入れ、その相互交渉による変化の要素を加えることによって、より正確に理解される。

“自己表象”の文学史―自分を書く小説の登場に収録しています。