日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

文学で考える 仕事の百年 (翰林書房版)

飯田祐子・日高佳紀・日比嘉高編、翰林書房、2016年9月30日、201頁 翰林書房からの再刊本です。目次など詳細は、日高佳紀さんのページをご覧ください。文学で考える〈仕事〉の百年作者: 飯田祐子,日高佳紀,日比嘉高出版社/メーカー: 翰林書房発売日: 2016/10…

文学で考える 〈日本〉とは何か (翰林書房版)

飯田祐子・日高佳紀・日比嘉高編、翰林書房、2016年9月30日、198頁 翰林書房からの再刊本です。目次など詳細は、日高佳紀さんのページをご覧下さい。 文学で考える〈日本〉とは何か作者: 飯田祐子,日高佳紀,日比嘉高出版社/メーカー: 翰林書房発売日: 2016/1…

この夏の出来事──息子を弟の名で呼んだ話

知多半島にあるその宿には、子どものころ、毎年のように通っていた。海沿いの施設で、そこに一泊して近くの海水浴場で遊ぶのが、私たち兄弟の夏の大きな楽しみだった。海藻のくずやゴミで汚い海だったが、泳いだり、岩場にひそむカニを捕ったり、砂浜で山を…

最近いただいた本 その1

もはや、御礼ができていません、とか、紹介が遅れています、とか、言い訳できるレベルではないですが、とにかく御礼をかねてここにご紹介します。漏れがあるかもしれません。ひとえに、私の部屋が片付いていないのが原因です。。たくさんありまして、記事を…

憲法判例からみる日本──法×政治×歴史×文化

日本評論社、2016年9月20日。担当・山田哲史との共著「小説はプライバシーを侵害するのか──「宴のあと」事件」pp.1-20 まさか自分がこういうタイトルの本に関わるとは思わなかった!という1冊が出ました。「憲法判例×歴史」研究会の成果をまとめた本です。…

あいちトリエンナーレに子連れて行って思ったこと

あいちトリエンナーレの愛知県美術館会場に行ってきました。子連れで楽しめる工作コーナー(ダミコ・ルームとかキャラバンファクトリー)があって、そこが今日のお目当てでした。無料でありました。簡単な工作を親子でできるところがあったり、ゲーム感覚で…

東アジアと同時代日本語文学フォーラム 名古屋大会(告知第2弾)

10月末に、「東アジアと同時代日本語文学フォーラム 名古屋大会」という国際研究集会を開催する運びとなりましたので、ご案内を申し上げます。「東アジアと同時代日本語文学フォーラム」は日本、韓国、中国、台湾の日本研究者が各地域を毎年巡回しながら一堂…

センター試験後継の新テストに「国語」の記述式問題を導入したときに起こる惨状

※ 最初に大事なお断りです。下記の記述は、現在公開されている情報と、中高・予備校・大学短大の試験現場についての知見を総合して、日比が予測的に書いたものです。個人の予測ですから、当然外れたり勘違いがありえます。また採点現場の事情について触れた…

中国調査出張から戻りました

帰国しました。写真は、哈爾浜(ハルビン)に向かう途中、早朝の長春駅です。 書きたいことは山のようにあるのですが、とりあえずメモ的に。 1.図書館 行く前からわかっていたことだが、中国東北部のめぼしい公立・大学図書館の旧満洲国関連資料は全面封鎖…

告知第1弾 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 名古屋大会

10月28日(金)から3日間、名古屋大学と博物館明治村を会場として、「東アジアと同時代日本語文学フォーラム 名古屋大会」が開催されます。総合テーマは「集団の記憶、個人の記憶」。詳細は下記の公式ページをご参照下さい。どなたでもご参加いただけます(30…

託児スペース設けます 日本近代文学会@福岡大

秋季大会(2016年10月15日(土)・16日(日))開催の福岡大学では、有志による託児スペースを設けます。日本近代文学会会員であれば、どなたでもご利用いただけます。利用希望の方は、鈴木暁世<a-suzuki[at]staff.kanazawa-u.ac.jp>までご連絡ください([…

人生に、文学部を。

人生に、 文学部を。文学部を知らなければ、 こんなはずじゃなかった。 文学部を知ったおかげで、 どうやっても人生回り道だ(アニメ化?)読むとは妄想することである。 俺の不条理、私の弱さ。男も女も関係ねぇだろ。 妄想しなければ、実学系に進めるとで…

(告知)「日本の国立大学を取り巻く現状と論点-分断・グローバル化・「新自由主義」」

7月16日(土)は、以下の学会に参加し、報告を行います。 東アジア学会第69回定例研究会のご案内第69回定例研究会を以下の内容で開催することになりました。 皆様ぜひ御出席ください。 日時:2016年7月16日(土)14時00分から17時30分 会場:西南学院大学学術…

SNSのシェア/リツイート数と、実際の読者数の間に大きな差があるのを体感した話

この前ブログに書いた「ていうか18歳選挙権いらない そもそも民主主義いらない」に向き合う - 日比嘉高研究室の記事に対する反応を見ていて、あらためて思い知ったことがあるので、書いておきます。以下、いろいろ書いていますが、日比という特定色のある個…

「ていうか18歳選挙権いらない そもそも民主主義いらない」に向き合う

選挙終わりました。憲法改正が現実的な問題になってきました。この間、もやもや考えていたことを少し言語化しておきたいと思います。ここ最近、目に入った言葉で、心に残ったものに触れながら進めます。 「英国国民投票からは数多くのことを学べるだろう。こ…

あなたは政治を放っておくことはできる。しかし政治はあなたを放っておかない。

覚えておいた方がいい。 「あなたは政治を放っておくことはできる。しかし政治はあなたを放っておかない。」投票に、行きましょう。投票に行かないことは、白紙委任です。 組織票を握る者たちへの、白紙委任です。 すでに権力を握る者たちへの、白紙委任です…

紹介:人文社会学系学部縮小問題をめぐる学生集会@横浜国立大学

学生の雰囲気が、少しずつ変わってきているのかもしれないと感じます。横浜国立大学の学生の方から、以下のような案内をいただきました。同大の学生が主体となって、人文社会学系学部縮小問題をめぐる学生集会が行われるそうです。7月11日(月)です。名古屋…

大学の反グローバル化論と内向きな社会 ~内田樹さんへの批判を起点に~

東大、アジア7位 先日、東京大学がアジアの大学ランキングで1位から7位にランク・ダウンしたというニュースが流れました。http://www.yomiuri.co.jp/national/20160621-OYT1T50113.html私は、大学ランキングには弊害が大きく、それに一喜一憂する必要はな…

あじさいとふうせん

あじさいはふうせんのゴムのにおい と子どもがいう。 鼻を寄せ 青々とした匂いの輪郭をなぞると つんと、たしかに ゴム風船をくわえた時の そのにおい。あじさいとふうせん。 すうと吸い、 ふうと吐く。 水無月の小さな息を あつめてひらく。本当ですよ。み…

亀井秀雄さんの訃報

仰ぎ見る方(かた)だった。著書や論文には、たくさんのことを教えられたと思っている。その質の高さ、視野の広さ、射程、厳しさ、どれも超一級だった。 ほとんど直接の接点はなかったけれど、唯一、私が2002年にUCLAに在外研究に行ったとき、わずか数日?滞…

リポジトリで読めます→講演「踏みとどまること、つなぐこと―人文社会科学の意義と可能性」

昨年、高知大学でさせていただいた講演が、リポジトリで全文読めるようになりました。「踏みとどまること、つなぐこと―人文社会科学の意義と可能性」(日比嘉高) 高知人文社会科学研究、3号、2016、pp.55-66 http://hdl.handle.net/10126/6105

さまざまな「日本」の発音~音はもともと、国も文字も超えていた

聞いてみて下さい。すごく面白いです。www.youtube.com蘇州とか、杭州の発音は、もう「じゃぱん」としか聞こえない。 そして客家語や福州の方言は、「にっぽん」にとても近い。私たちは言葉というものを、国を中心に考えてしまいがちです。中国の言葉、日本…

読書会の案内『谷崎潤一郎のディスクール』

以下の通り読書会が開催されます。お知り合いにもどうぞご紹介を。 日時:5月22日(日)13:00~17:30 (※会終了後、18:00頃より懇親会を予定しております)場所:同志社大学 今出川キャンパス 寧静館5F会議室 (地下鉄烏丸線、烏丸今出川…

附属図書館の雑誌購読中止が、大学間格差を加速させる

www.j-cast.comJ-CAST は、高騰する電子ジャーナルの購読費の問題も、あわせて書くべきだった。関連企業の商売のあこぎさも、あわせて。阪大図書館においてさえこうである。いわんや他大学においてをや。図書館予算を逼迫している原因の一つは巨額の電子ジャ…

名大アゴラ 第1回 大学の〈知〉の現在を考える

もうお一方は、安藤隆穂さん(中部大学教授・名古屋大学名誉教授)。演題は「大学とは何か──歴史に尋ねる」です。 日時 2016年4月16日(土)13~15時場所 名古屋大学法学部第3講義室— 日比嘉高 (@yshibi) 2016年4月15日twitter.com nu-anti-war.wix.com

最近いただいた本 β

色々頂戴しております。ほとんど御礼ができておらず、申し訳ないかぎりです。なんとかします… ともかくも、まずはリストアップ。順不同です。まだ記入途中ですので、漏れについてはお許しを(4/12)。芸術家たちの精神史: 日本近代化を巡る哲学作者: 伊藤徹…

教育にお金を  「娘の除籍」毎日新聞2016年3月31日

つらい記事だ。 娘の除籍 東京都港区・匿名希望(会社員・55歳)毎日新聞2016年3月31日 東京朝刊 11万5000円の学納金を納めることができず、娘が大学を除籍になりました。 数年前、私は正社員として10年以上勤めた会社を、身内の介護のため辞めざ…

JunCture 7号の訂正

『JunCture 超域的日本文化研究』7号の日比の著者紹介において、所属が一橋大学となっていますが、名古屋大学大学院文学研究科の間違いです。変わりありません。また、同じ紹介で「戦前外地の書物流通(1)」とある後ろに 」 を補う必要があります。今回、この…

2015年度の仕事 書き物系 まとめ

けっこうがんばりました。個人史的にはレコードかな(量的意味で)。 単著、編著、共著 『いま、大学で何が起こっているのか』単著、ひつじ書房、2015年5月 『メディア――移民をつなぐ、移民がつなぐ――』編著、クロスカルチャー出版、2016年2月、担当「はじめ…

国際スポーツ・イベントによる主体化――一九三二年のロサンゼルス・オリンピックと田村(佐藤)俊子「侮蔑」

『名古屋大学文学部研究論集 文学』62、2016年3月31日、pp.245-253 後日、名古屋大学のリポジトリで全文が公開の予定です。[要旨] この論文では、田村俊子の短編小説「侮蔑」を取り上げ、オリンピックが日系二世たちにどのような受け取られ方をしたのか、…

戦前外地の書物取次――大阪屋号書店、東京堂、関西系・九州系取次など

『Intelligence』20世紀メディア研究所、16号、2016年3月31日、pp.134-148 本研究は科学研究費補助金(基盤研究(C)、課題番号15K002244)によるものである。 [要旨] 戦前の外地向けの書籍取次として著名なのは大阪屋号書店であり、その役割は大きなものが…

「鉄板イタリアン」と過ごす、ある昼休み

ときどき、「これ」が唐突に食べたくなるのである。1ヶ月ぐらい前から、あー食べたい、と思いながら日々過ごしてきたのだが、今日チャンスがあったので、「これ」を食べるならここと決まっていた、本山のBⅡに行こうとした。先週、この店には振られていたの…

樺太における日本人書店史ノート――戦前外地の書物流通(3)――

『JunCture 超域的日本文化研究』、2016年3月28日、pp.58-67 本誌掲載の日比の著者紹介において、所属が一橋大学となっていますが、名古屋大学大学院文学研究科の間違いです。変わりありません。また、同じ紹介で「戦前外地の書物流通(1)」とある後ろに 」 …

外地書店を追いかける(6) 台湾日日新報社の台湾書籍商組合攻撃

『文献継承』金沢文圃閣、第28号、2016年4月、pp.4-7 連載状態で書かせてもらっている「外地書店を追いかける」シリーズの6です。副題のとおり、台湾日日新報社が、台湾の書籍商組合を攻撃していた事件について、記述しております。マニアックですいません…

デジタル化と大学図書館の未来──横田氏講演の感想メモ

3月22日、横田カーター啓子さんが、名古屋大で講演をして下さった。図書館の方、大学院生、研究者、出版関係者、その他の方が集まって、密度の濃い2時間あまりの集会となった。私は役得で、その後の食事会でも議論と情報交換を続行した。いろいろ考えさせら…

踏みとどまること、つなぐこと──人文社会科学の意義と可能性

『高知人文社会科学研究』第3号、2016年3月20日、pp.55-66 2015年11月8日に行われた高知大学人文社会科学部キックオフ・シンポジウム「高知から考える人文社会科学の可能性」(会場・高新RKCホール)での、同名の講演を収録したものです。内容は以下から…

名大アゴラ

《名大アゴラ》というのが始まります。私も、趣意に賛同して協力しています。こんな企画です。 名大アゴラは、名古屋大学人の会が主催する、自由と平和、そして民主主義を考えるための連続セミナーです。学生・市民と知を共有し、開かれた論議を行う場(アゴ…

東京新聞こちら特報部 スーパー日本人@阪大特集

本日東京新聞こちら特報部にて、スーパー日本人@阪大特集。私も(いまさらながら)コメントをしています。

講演「Digital Humanities と北米大学図書館の現在~ミシガン大から見る」

会場が「ビブリオサロン」に変更になりました。同じ名大中央図書館です。人文学研究 × デジタル・テクノロジー × 図書館 で何が生まれるのか? その交差が急速に進展しつつある北米の事例をもとに、ミシガン大附属図書館 現役司書・横田カーター啓子氏ととも…

(案内)位藤紀美子学長退任記念の会

京教関係者の皆さんへお知らせです。下記の要領で、「位藤紀美子学長退任記念の会」が開催されるそうです。日時 平成28年4月10日(日) 12:00~14:00(受付開始11:30) 会場 京都センチュリーホテル(下図) 会費 10,000円申込先・問い合わせ先は植山…

紹介「「国文学論文目録データベース」の、あまりよく知られていないこと」(浅田徹氏)

「「国文学論文目録データベース」の、あまりよく知られていないこと」(浅田徹氏) 『国文研ニューズ』No.41 Autumn 2015 http://www.nijl.ac.jp/pages/news/041/041zentai.pdf日本文学研究をしているのに、国会図書館サーチとか、Ciniiとかしか使っていな…

あるお稽古の話

七年少し続けていたお稽古を、やめようかと考えていた。ひとつには仕事が忙しくなってしまったこと。時間を捻出しようと思えばできなくはないけれど、いまは月一回に減らしているその時間でさえ、惜しいと思う自分になっていた。もうひとつには、色々自分な…

最近刊行された、旧外地(朝鮮半島)の書店関係の拙論

日比嘉高「内地-外地を結ぶ書物のネットワークと朝鮮半島の小売書店 : 日配時代を中心に」『翰林日本學』第27輯、2015年12月、pp.31-50 - 日比嘉高研究室 https://t.co/Hh852UQzwP 全文pdfで読めます— 日比嘉高 (@yshibi) 2016, 2月 24

星野しずる氏を使ってみた件

六月の底で秘密を見ています 人それぞれの雨の手ざわり (星野しずる) http://sasakiarara.com/sizzle/ コンピュータ・プログラムによる、短歌の自動生成作品です。始めて使いました。この装置、面白いですねぇ。コンピュータ・プログラムによって文学作品…

メディア――移民をつなぐ、移民がつなぐ

河原典史・日比嘉高編、クロスカルチャー出版、2016年2月15日、420頁 本研究は、マイグレーション研究会の共同研究としてスタートし、立命館大学国際言語文化研究所「メディアと日系人の生活研究会」として重点研究の指定を受け(2013-2014)たものである。…

インタビュー・記憶・《経験》: 利尻島に行った話2

インタビューという出会い やって来たとき、その利尻島の老人は一人の見知らぬ他人だった。2時間のインタビューを終え、一緒に昼食のうどんをすすったあと、その老人は離島で育ち、初年兵として戦場をくぐり、捕囚としてシベリアで過ごし、舞鶴に引き揚げ、…

利尻島に行った話

「冬休み」の町 研究チームの調査で、利尻島に来た。2月はじめ。厳冬期である。 研究チームの課題は「国境」を考えるというやつで、樺太引き揚げのおじいさんおばあさん(かつては小学生)のお話なんかを聞けて、おおおそんなことがありましたか、とすごく面…

日本近代文学会東海支部2015年度シンポジウム「昭和10年代文学場と〈外地〉」

豪華メンバーのシンポジウムです。ぜひ、3月の名古屋へ。日本近代文学会東海支部 第55回研究会の御案内2015年度シンポジウム 「昭和10年代文学場と〈外地〉」 (日本近代文学会東海支部・JSPS科研費「昭和10年代における文学の〈世界化〉をめぐる総合的研究…

国際日本文化研究センターの海外邦字新聞データベース

国際日本文化研究センターのデータベースで海外邦字新聞の公開が始まっている。 現在は『伯剌西爾時報』(サンパウロ)の誌面がpdfで全文公開されている(マイクロフィルムになっている分のみ)。今後はこれがフリーワード・データベース化されるという。以…

『跨境 日本語文学研究』の論文投稿締め切りについて

ご希望の方、どうぞお忘れなく! 締切間近★『跨境 日本語文学研究』では次号の論文投稿締め切りが、1月15日(金)となっております。投稿ご希望の方、お急ぎ下さい。... https://t.co/pBuKiUtUXX— 跨境 日本語文学研究 (@KOKYO_BorderCrs) 2016, 1月 14twitter…