日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

番外:子育て

幼児と戦車

本日、以下のようなニュースを見ました。 this.kiji.isたまたまこの前、息子が戦車のラジコンをほしいと言っていたのもあって、思ったことを書いてみます。 「はたらくくるま」と戦車 この手の「はたらくくるま」系の本は息子が幼稚園の頃何冊か持っていまし…

遅すぎる子供と早すぎる大人

息子が遅すぎる 息子は小1になっているのだが、どうにも行動が遅い。着替えも遅い、食べるのも遅い、勉強を始めるのも遅い、遊びをやめるのも遅い。給食はクラスで一番最後に食べ終わり、プールの教室でも一番最後に着替え終わる。遅くなってしまう理由は色…

卒園式の謝辞

T組のみんなにも聞いてもらいたいので、できるだけわかりやすくお話しします。今日は雨が降ってしまってちょっと残念ですが、だんだんと暖かくなって春が近づいてくるなかで、こうして卒園式をみんなですることができるのは、とってもうれしいことです。す…

おとななんて

こどものくれた花束。 摘み取った野生が、つんと匂う。 服が汚れると言ったおとうさんは、 つまんない。

枝垂れ桜、春に向かう

毎年楽しみにしている、近所の枝垂れ桜。今はこれくらい。例年だと22日、23日ぐらいでこの桜は満開を迎えます。このあとの天候次第ですが、今年はこれと同じか、少し遅れるか、ですね。いずれにしても、これから一週間で、満開に向かって駆け上がります。 そ…

この夏の出来事──息子を弟の名で呼んだ話

知多半島にあるその宿には、子どものころ、毎年のように通っていた。海沿いの施設で、そこに一泊して近くの海水浴場で遊ぶのが、私たち兄弟の夏の大きな楽しみだった。海藻のくずやゴミで汚い海だったが、泳いだり、岩場にひそむカニを捕ったり、砂浜で山を…

あいちトリエンナーレに子連れて行って思ったこと

あいちトリエンナーレの愛知県美術館会場に行ってきました。子連れで楽しめる工作コーナー(ダミコ・ルームとかキャラバンファクトリー)があって、そこが今日のお目当てでした。無料でありました。簡単な工作を親子でできるところがあったり、ゲーム感覚で…

あじさいとふうせん

あじさいはふうせんのゴムのにおい と子どもがいう。 鼻を寄せ 青々とした匂いの輪郭をなぞると つんと、たしかに ゴム風船をくわえた時の そのにおい。あじさいとふうせん。 すうと吸い、 ふうと吐く。 水無月の小さな息を あつめてひらく。本当ですよ。み…

沈丁花 記憶の遠い経路

香りの記憶を私たちは呼び起こすことはできないけれど、香りは私たちの記憶を呼び起こすことができる。 *沈丁花の花が咲いていた。子どもを連れて近所の寺に桜を見に行ったその道、見つけたその花に、顔を寄せてみた。沈丁花、いいにおいだよ、と子どもにも…

三歳児(♂)の不思議 3つ: なぜ下品/「見える」/戦闘的なのか

久々の子育てネタ。トーゴ氏はいま三歳三ヶ月になった。だんだんと人がましくなって、以前のような「おお、こんな能力を獲得したか!」的な驚きはなくなっており、その点でちょっとブログのネタにはしにくくなってはいる。が、最近私はなんだか難しい顔をし…

トーゴ氏近況

■トーゴ氏は11月で3歳になった。 ■精神的に最近ぐっと成長している感じがある。本人が最近使う用語で言うと「あかちゃん」と「おにいちゃん」というのがあって、甘えたいときは自分を「あかちゃん」だといい、自分が大きくなったときは「おにいちゃんだ」「…

追記 その「仕事」を解除せよ

前のエントリに対し、Facebookで大事なコメントを返していただいたので、それに対する私の応答を転載して、追記しておきます。個人名など、最小限の修正はしています。 (以下)「遊び」の意義を強調する私の考えに対して、「それはある程度の経済的保証がさ…

その「仕事」を解除せよ――遊びをせんとや生まれけむ

野球、相撲、地図 愚息トーゴ氏はもうすぐ3歳になる。手先も器用になり、走ったり跳んだりも活発。語彙や知識も増えていて、言葉も達者になってきた。そうすると、遊びの世界もぐんぐん広がってくる。最近のブームは、野球と相撲と地図である。新聞紙で制作…

主人公になる――『かいじゅうたちのいるところ』を再読しつつ

以前、「内面という境目」というエントリを書いたことがあった。子供がだんだん目の前の他人のなかに、「内面」を見いだしているらしいということを、本を読む経験の共有から考えてみたものだった。昨年の11月あたまだったから、二歳直前だ。今日はその半年…

子供との記憶――少し感傷的

生まれたときに見た風景を覚えている と言い張っていたのは三島由紀夫の「仮面の告白」の主人公だったが、私はせいぜい3歳か4歳ぐらいの記憶が一番古い。そのころ私の両親は借家住まいで、裏手に小さな庭があった。正面にコンクリートの壁がそびえていたよう…

七夕

トウゴ氏2歳7ヶ月、いま一番の願いごと。

トーゴ氏近況 3題

ごっこ遊び Deluxe おままごととか、お店屋さんごっことか、だんだんと仮想的な遊びができるようになってきたのだが、最近面白いなと思うのは、自分自身が「なりきる」ようすが見られる事である。犬になって何か食べたり、クマになってベッドで眠ったりして…

 こどもと「虚構」

子供は「嘘」をつく、 トーゴ氏も嘘をつき始めた。ときどき、自分でやったことを、否定したりする。ここで書いてみたいのは、だがそういうレベルの「嘘」ではない。トーゴ氏は、しばしばその必要もないのに「嘘」をつく。たとえば、私と一緒に珍しい車を見つ…

2歳児との、或るホラー・ナイト

と 「お化けがきたよー」 父 「なに?」 「お化けがきたよー」 (風呂を出た脱衣場でバスタオルを被っている) 「ふーん、お化けなんだ。」 「影が壊れた。」 「なに?」 「影が壊れた。」 「…。」 「とうくんの影が壊れた。」 「…うん。」 「人形。」 「う…

トーゴ氏語録2014.02

どこで覚えたの。。1 (「日本語であそぼ」を見ている)母 「とうくん、日本語であそぼ、すき?」 と 「フツー」 どこで覚えたの。。2 (風呂場で隙を見てはお湯を飲もうとし、父に阻止されている)と 「(何もない壁を指さして)あれ、なんかやっとるよ」…

子供の生きる時間

幼児には「タイムライン」がない 子供を保育園に送り迎えしていると、子供の「寄り道」が楽しくもあり、めんどくさくもある。こちらの心やスケジュールに余裕がある時は、一緒にドングリを拾い、飛行機を眺め、月を指さし、側溝をのぞき込む。物たちは私によ…

内面という境目

意外なところに読者がいて驚くこの「番外編:子育て」だが、なかなか続きが書けないでいた。忙しかった、というのもあるが、こちらの観察が成長に追いつかないというのが大きい気がする。たとえば先月はソウル四日間の出張があったのだが、たったそれだけの…

トーゴ氏名言録1歳末編

どの親もそうだと思うが、子供の言葉の発達速度には驚く。東吾氏も、しかりである。 2歳を前にした氏の名言録の一端をご紹介する。 Scene1: 風呂場にて 母、独り言「あっ!忘れた。。」 ト「――おむつ?」(正解) Scene2:保育園で一人お薬やさんごっこ中 保…

ことばを覚える

3〜4週間前から、 こどもの知的な発育が急加速していて、とても面白い。たしか9〜10ヶ月ぐらいの時にも、ぐんと伸びた時期があったと記憶するが、一歳半ぐらいにもそういう急成長の時期があるようだ(個人差もあるのだろうけど)。 今回は「ことば」の…

こどもの眼

大きな原稿を入稿し、学会発表が二つ終わったので、やっと一息である。懸案だった記事を一つ書くことにしよう。 こどもと一緒に過ごしていると、 この子に世界はどう見えているんだろう、ということをしばしば考える。かつては自分もその中に住んでいたはず…

近況無駄話

■業務的更新ばかりになっていたので、ちょっと無駄話でもすることにしよう。秋学期も残すところあと補講が1つだけである。これから大学のお仕事としては入試関係と論文審査関係、ちょっと会議と、学生たちとのゼミ。その他は自分の研究+頼まれ仕事である。…

一歳になった

勤労感謝の日がトーゴ氏の誕生日である。日本のカレンダーが変わらない限り、彼は誕生日を祝日で迎え続けることになる。知人がやはり同じような境遇だと言って、話をしてくれたが、今となってはありがたいが、学校時代はいつも友達に祝ってもらえなくて寂し…

育児休業を総括する

長文です。物好きなあなただけ読んで下さい。 ――夏休みも終わろうとしている。以前書いたように、私の育児休業は7月31日をもって終了していた。それ以来、いちおう経験や考えたことを総括しておこうと思い続けていたのだが、ついつい後回しになって今日に至…

つらつら

■ 久々の更新。本の紹介のついでに、少しブログのエンジンをかけ直すことにしよう。 少し前にFacebookをはじめて、そちらにしばらく気を取られていて、ブログがお留守だったというのもあるが、私用雑用公務ご依頼子育てなど多くて、後回しになっていた。ブロ…

柵と成長

子供を見ていて気づいたことがある。最初、子供はなかなか寝返りを打たなかった。足を上げて大きく右や左に振って、ぐるりと回転しそうで、しかし回れなかった。あるとき、子供用品の店に行って、床の上に敷くマットを買った。今にこの上で遊ぶようになるだ…