日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

無駄話

外交と天皇が憲法を越えるとき

いま、「外交」と「天皇」を理由に、現役の府知事が現役の県知事の辞職を求める超展開になっている。 www.asahi.com愛知県知事は、「憲法通りにやります」と言っている。 その県知事に対して、府知事は辞職を求めている。 辞職を求める根拠は「憲法の外」に…

幼児と戦車

本日、以下のようなニュースを見ました。 this.kiji.isたまたまこの前、息子が戦車のラジコンをほしいと言っていたのもあって、思ったことを書いてみます。 「はたらくくるま」と戦車 この手の「はたらくくるま」系の本は息子が幼稚園の頃何冊か持っていまし…

N国がなぜ議席を取ったのかまったくわからなかったので、色々見学してきた感想。

感想の結論から言うと、この党はもう少し国政や地方議会で議席を伸ばす気がする。(2019.7.23, 8:00, 追記・編集あり)(追記2 2019/7/24の朝日新聞によると、N国への投票者層(比例区)は次のような人々がコアらしいです。「男女比は男性68%、女性32%…

「みらい翻訳」を使って仕事をしました。(使用感)

ちょっと前の紹介Tweetが予想外に出回ってしまったので、責任?を感じまして、ちょいと使用感について書いておきます。話題の #みらい翻訳、まじですごい…。Google翻訳よりずっといい。訳あって英文の原稿を用意しているが、完全に私のヘボ英作文を凌駕。こ…

遅すぎる子供と早すぎる大人

息子が遅すぎる 息子は小1になっているのだが、どうにも行動が遅い。着替えも遅い、食べるのも遅い、勉強を始めるのも遅い、遊びをやめるのも遅い。給食はクラスで一番最後に食べ終わり、プールの教室でも一番最後に着替え終わる。遅くなってしまう理由は色…

私たちはかしこく、冷静でありたい。

朴裕河さんの言葉。「重要なのは、結果以上に対話自体である。対話が続く限り、過去の不幸な時間は克服可能だ。これ以上手遅れにならないうちに、いったい何が問題だったのか、この四半世紀の葛藤から振り返る必要がある。」www.huffingtonpost.jpこれまで以…

謹賀新年 今年のことと去年のこと 附・2018のお仕事一覧

あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 年頭に際し、本年の抱負気味のことと、昨年の振り返りをしておきます。 2019年は ほとんど出す出す詐欺と化していた、モデル小説がらみの単著をまとめます(きっぱり)。 外地書店…

勉誠出版がネトウヨ化しているという悲報に接したあと自省した夜

(2018.08.12追記)この問題のあと、Twitterで以下のタグが出現して、盛り上がっています。Twitterらしいスマートな応援の仕方で、いいですね。私もちょっとだけ推挙しておきました。 twitter.com以下オリジナル本文です。 ■勉誠出版がネトウヨ化していると…

「美しい顔」とそれが提起した問題についての補遺

1. 「美しい顔」は、つくづくかわいそうな作品になったと思う。私は、この作品が世に出てきた時とても褒めたし、今でもよい作品で「ありえた」小説だと思っている。作者もポテンシャルの高い人なんだろう推定している。 2. この問題に首を突っ込んで以来…

「美しい顔」の「剽窃」問題から私たちが考えてみるべきこと

1.剽窃がアウトなのは当然だが、問題の核心はそこにない 第159回芥川賞の候補作となった北条裕子「美しい顔」が、他人の作品から表現の「盗用」を行っているのではないかと指摘を受け、議論になっている。「美しい顔」は六月号で発表された群像新人文学賞…

「大学ランキング。悔しかったら上げてみろ」

言いたい放題に言ってくれている記事について、一言だけ反論しておく。 kyoiku.yomiuri.co.jp 「(国立大は)運営費交付金の減額に逃げ込み、それを口実にやるべきことをやっていないのだ」 「大学ランキング。悔しかったら上げてみろ」 http://kyoiku.yomiu…

名古屋市教育委員会の「親学」について調べてみたらわかったこと

Ⅰ 小学校から「親学」のパンフレットが来た 先月(2018年4月)、子どもが小学校から「親学」と大々的に書かれたパンフレットをもらってきた。そこには、 名古屋市教育委員会では、子どもにとって親はどうあるべきかを考え、子どもとともに親として成長する楽…

ダメ作家の作品は擁護されるべきか

KaoRiさんの告白、告発の文章を読んだ。つらかっただろうと思う。note.muこれを読んだあと、アラーキーの写真をこれまでと同じように見ることはできない。アラーキーの写真は好きだった。 文学研究をしている人間として、私は作品の創作過程がはらんでいた倫…

学会向け批評記事のウェブ先行公開は、愚挙なのか

学会印象記を先行公開して叱られまして 少し前にこういう記事を書きました。hibi.hatenadiary.jp学会外の人に少し説明すると、日本近代文学会(近現代日本文学研究についての最大の学会です。会員数約1600人)には「会報」という冊子媒体があります。これに…

だれが小学生の作文を改ざんしたのか:検閲、震災、虐殺、発禁本

きのう目に入って、読ませてもらった id:Vergil2010 さんの記事。興味深かったです。 vergil.hateblo.jp 読んでいて「おっと!?」と思うところがあって、そこを起点にするともう少し深掘りできそうだったので、ざっと調べてみました。考えてみた主なポイン…

彼女に求められているのは「国籍」ではなく「血」の証明ではないのか

民進党は終わっていくようだ。蓮舫氏に戸籍を示させ説明させるという判断がどれくらいマイノリティにとって攻撃的で、かつ潜在的な党支持層を離反させるものであるのか、それすらわからない状態なのだろう。www.huffingtonpost.jp蓮舫氏が今、行おう/行わさ…

ミサイルが飛んで、新しい隣組の結成を祝おう

今日(29日)はアニメ・特撮脚本家で小説家の辻真先さんの講演を聞いた。いい講演だった。心から御礼を申し上げたい。講演の題を「ぼくは戦争の匂いを嗅いだ」とした辻さんの危機感は深いのだと思うが、語り口は温和かつなめらかで、まるで落語か講談を聞い…

昨年度はサバティカルだった件

昨年度はサバティカル(=大学の特別研修期間)だった。 諸事情(主に家庭方面)あって、勤務校での研修となった。そして勤務校には子どもの保育園があるので、結果、ほぼ毎日大学に行くことになった。春、私を見かけた同僚たちは、なぜサバティカルなのにい…

枝垂れ桜、春に向かう

毎年楽しみにしている、近所の枝垂れ桜。今はこれくらい。例年だと22日、23日ぐらいでこの桜は満開を迎えます。このあとの天候次第ですが、今年はこれと同じか、少し遅れるか、ですね。いずれにしても、これから一週間で、満開に向かって駆け上がります。 そ…

畝部俊也さんの思い出に

今日は、亡くなった同僚の畝部俊也さんを偲ぶ会があった。研究科の有志が集まって、食事をしながらいろいろな思い出話をした。畝部さんは48歳で亡くなったのだった。畝部さんとは、研究室が隣同士だった。音が、よく聞こえた。私の研究室のある建物の部屋は…

文科省的には教育勅語を活用してもいいらしい

文科省が予算委員会で、教育勅語を活用してもいいと答弁している。夫婦仲良くしなさい、とか、友だち同士信じ合いなさい、ということを教えるのに、教育勅語が必要なのか、と考えてみればわかる。それくらいのことなら、ちびまる子ちゃんをつかってだって教…

謹賀新年

あけましておめでとうございます。今年の目標: 健康と体力は大事だよ 粗製濫造せぬよう自戒 デジタル・ヒューマニティーズ関係の勉強をぼちぼち始めたい 書を捨てなくてもいいけど、街に出よう 久々に米国の日本文学系の学会に行きたい ところで、だんだん…

やる気のでない冬のあなた(私)に 2016

かなり前だが、「やる気のでない夏のあなたに - 日比嘉高研究室」という記事を書いたことがあります。 いま、超低空飛行のあなた(私)に2016年版をお送りします。 1.机を掃除しよう やる気がでないと、掃除をする気も起きないものですが、とりあえず積み…

キュレーションサイトの問題は、リサーチャーすべてが直面している問題じゃないのか

キュレーションサイトをめぐる一連の騒ぎをみていて、これって実はリサーチする人間のほとんど全員が直面している問題じゃないかなぁと思ったので、そのことについて少し書いてみます。なお、以下「キュレーション」という言葉をネガティブな文脈の中で使い…

マイナンバーを届出したくない件――民間利活用のロードマップを見てみよう

マイナンバー、「届出して下さい」というお願いを今年お仕事をした某所からいただきましたが、お断りしました。納税のズルを許さないとか、行政業務が効率化するとか、たしかにメリットもあるようです。が、マイナンバーの「利活用」ロードマップを見ると、…

あいちトリエンナーレに子連れて行って思ったこと

あいちトリエンナーレの愛知県美術館会場に行ってきました。子連れで楽しめる工作コーナー(ダミコ・ルームとかキャラバンファクトリー)があって、そこが今日のお目当てでした。無料でありました。簡単な工作を親子でできるところがあったり、ゲーム感覚で…

センター試験後継の新テストに「国語」の記述式問題を導入したときに起こる惨状

※ 最初に大事なお断りです。下記の記述は、現在公開されている情報と、中高・予備校・大学短大の試験現場についての知見を総合して、日比が予測的に書いたものです。個人の予測ですから、当然外れたり勘違いがありえます。また採点現場の事情について触れた…

中国調査出張から戻りました

帰国しました。写真は、哈爾浜(ハルビン)に向かう途中、早朝の長春駅です。 書きたいことは山のようにあるのですが、とりあえずメモ的に。 1.図書館 行く前からわかっていたことだが、中国東北部のめぼしい公立・大学図書館の旧満洲国関連資料は全面封鎖…

人生に、文学部を。

人生に、 文学部を。文学部を知らなければ、 こんなはずじゃなかった。 文学部を知ったおかげで、 どうやっても人生回り道だ(アニメ化?)読むとは妄想することである。 俺の不条理、私の弱さ。男も女も関係ねぇだろ。 妄想しなければ、実学系に進めるとで…

SNSのシェア/リツイート数と、実際の読者数の間に大きな差があるのを体感した話

この前ブログに書いた「ていうか18歳選挙権いらない そもそも民主主義いらない」に向き合う - 日比嘉高研究室の記事に対する反応を見ていて、あらためて思い知ったことがあるので、書いておきます。以下、いろいろ書いていますが、日比という特定色のある個…