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日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

国際スポーツ・イベントによる主体化――一九三二年のロサンゼルス・オリンピックと田村(佐藤)俊子「侮蔑」

『名古屋大学文学部研究論集 文学』62、2016年3月31日、pp.245-253 後日、名古屋大学のリポジトリで全文が公開の予定です。[要旨] この論文では、田村俊子の短編小説「侮蔑」を取り上げ、オリンピックが日系二世たちにどのような受け取られ方をしたのか、…

樺太における日本人書店史ノート――戦前外地の書物流通(3)――

『JunCture 超域的日本文化研究』、2016年3月28日、pp.58-67 本誌掲載の日比の著者紹介において、所属が一橋大学となっていますが、名古屋大学大学院文学研究科の間違いです。変わりありません。また、同じ紹介で「戦前外地の書物流通(1)」とある後ろに 」 …

外地書店を追いかける(6) 台湾日日新報社の台湾書籍商組合攻撃

『文献継承』金沢文圃閣、第28号、2016年4月、pp.4-7 連載状態で書かせてもらっている「外地書店を追いかける」シリーズの6です。副題のとおり、台湾日日新報社が、台湾の書籍商組合を攻撃していた事件について、記述しております。マニアックですいません…

メディア――移民をつなぐ、移民がつなぐ

河原典史・日比嘉高編、クロスカルチャー出版、2016年2月15日、420頁 本研究は、マイグレーション研究会の共同研究としてスタートし、立命館大学国際言語文化研究所「メディアと日系人の生活研究会」として重点研究の指定を受け(2013-2014)たものである。…

外地書店を追いかける

『文献継承』第22号〜、2013年4月〜 去年から、金沢文圃閣の田川さんのご厚意で、同閣が出している『文献継承』という冊子に、「外地書店を追いかける」という記事を連続で書かせてもらっている。既発表分は以下の通り。 外地書店を追いかける――台湾・新高堂…

北米への移民

コレクション・モダン都市文化、第92巻、ゆまに書房、2013年12月25日、全1019頁 末広重雄『北米の日本人』(二松堂書店、一九一五年二月一〇日)、中島直人『ハワイ物語』(砂子屋書房、一九三六年一二月八日)、森永英蔵『アメリカ移民血涙記』(高山菊次、…

「諸君の位置」、作品論の位置――付 シラー「地球の分配」(小栗孝則訳)

『太宰治研究』21、和泉書院、2013年6月19日、pp.125-131 「作品論」をせよ、という編集部からの指示によって書いたが、評論を対象にした「作品論」がとはなんぞや、ということに思い悩み、そして枚数も少ないので、〈論文〉ではなく〈その他〉とカテゴライ…

外地書店とリテラシーのゆくえ――第二次大戦前の組合史・書店史から考える――

『日本文学』第62巻第1号、pp.44-56 [要旨] この論文では、戦前の外地における日本語のリテラシーを、第二次大戦前に外地へ出店した書店の分析をつうじて考察する。具体期には、外地書店の同業者組織である外地の書籍雑誌商組合の歴史、そして外地書店が生…

「浮雲」で笑う

『近代文学合同研究会論集』第9号、2012年12月、pp.76-93 [要旨]

認知物語論の臨界領域

西田谷洋・浜田秀編、ひつじ書房、2012年9月7日、97頁、担当「小説とスキーマをめぐるスケッチ――デフォルト値、推論、ヘッダー」pp.21-35 西田谷さん、浜田さんたちと作った認知物語論系の二冊目の共著。物語論についての理論的な考察を行った小論を書いた。…

来日留学生の体験――北米・アジア出身者の1930年代

マイグレーション研究会編、不二出版、2012年6月15日、担当論文「望郷のハワイ――二世作家中島直人の文学――」pp.3-24 (本論文は『文学研究論集』27号(筑波大学比較・理論文学会、2009年2月)発表の論考に修正を加え、編者の許諾のもと本書に収録したもので…

渡航する作家たち

神田由美子・高橋龍夫編、翰林書房、2012年4月20日、223頁、担当「アメリカに彷徨う 在米日本人としての荷風」pp.43-54 大学・短大のテキスト用に編まれた書籍です。永井荷風の米国体験およびその作品を、日系移民の経験から読み直す、という角度で書きまし…

外地への書物流通・序説――書店、取次、法制――

出版法制史研究会 第5回例会、2011年6月11日、中京大学 タイトルの通り、戦前の外地における日本書店の展開と、内地/外地を結んだ書物流通を考えるもの。これに法制史を交差させる。これを書いている現在(2011.6.10 17:15)、準備は終わっておらず。苦し…

洋上の渡米花嫁――有島武郎「或る女のグリンプス」と日系アメリカ移民――

『有島武郎研究』第14号、2011年6月、pp.1-15 有島武郎研究会の雑誌に書かせていただきました。 要旨は発表のときのものと変わっていませんので、下記をご覧下さい。 http://d.hatena.ne.jp/hibi2007/20101201#seeall

日系アメリカ移民一世、その初期文学の世界

『移民研究年報』 17、2011年3月、pp.43-63 Exploring the First Stage of Japanese American Vernacular Literature, circa1900 [要旨]米国日系移民の日本語文学については、これまで翁久允の諸作品や俳句・短歌などの韻文を中心に研究が進められてきた。…

写実小説のジレンマ――島崎藤村とモデル問題

『名古屋大学文学部研究論集』57、2011年3月31日、pp.125-147 A Dilemma of Realism: SHIMAZAKI TOSON and "Model Problems" 藤村の「旧主人」から「新生」までの軌跡を追いながら、写実小説の登場と私的領域の描出との葛藤のさまを考察した。

書店資料から読む外地の読者――『全国書籍商総覧』(1935年)を用いて

『芸術受容者の研究――観者、聴衆、観客、読者の鑑賞行動――』平成20〜22年度科学研究費助成金(基盤研究(B))研究成果報告書、課題番号20320028、研究代表者・五十殿利治、2011年3月、pp.54-60 『全国書籍商総覧』(1935年)を主に用いながら、戦前の外地にお…

境域から読めること――日系アメリカ移民の日本語文学――

『日本研究』高麗大学、第15集、2011年2月、pp.127-150 日系アメリカ移民の日本語文学の展開を略述し、とくに第二次大戦下の彼らの文学表現について、伊藤正の評論を検討しながら論じた。

翻訳者の無力な使命―シリン・ネザマフィ論―」

ワークショップ「文化の越境と翻訳Trans-Frontier Culture and Translation」於・名古屋大学ヨーロッパセンター(ドイツ・フライブルク) [概要] 現代日本の〈日本語文学〉を議論するための論点を整理した上で、翻訳/通訳、文芸の持つ再配置の力などを鍵…

洋上の渡米花嫁――有島武郎「或る女のグリンプス」――

有島武郎研究会 第48回大会、2010年12月4日、於 四日市市立博物館 要旨は以下: http://d.hatena.ne.jp/hibi2007/20101201#seeall

講演:第二次世界大戦以前における 〈外地書店〉の展開

東国大学校(大韓民国)、2010年10月11日 韓国の「国文学科」(つまり日本から見れば韓国文学科)での初めての講演。緊張しつつ、かつ楽しみにして臨む。韓国にせよ台湾にせよ中国にせよ、その近代の歩みは、日本の植民地主義の歴史と切り離して考えられない…

境域から読めること――日系アメリカ移民の日本語文学

国際シンポジウム「帝国日本の移動と東アジア植民地文学」(主催:高麗大学日本研究センター)、高麗大学、2010年10月7-8日 二日間にわたって行われた国際シンポジウム。敬称略で概略を紹介すれば、7日は鄭炳浩(高麗大学校、韓国)、劉春英(東北師範大学、…

日本語の〈外〉で書く――非母語話者の現代日本語文学

広島大学大学院国語文化教育学講座 前期学内研究会、講演、2010.6.5 週末は久しぶりの広島です。降り立つのは、本当に高校以来かもしれない・・・。 講演の内容はタイトルの通りですが、多和田葉子のエクソフォンとかリービ英雄とか田原とか楊逸とかの話をし…

認知物語論キーワード

西田谷洋・浜田秀・日高佳紀・日比嘉高 共著、和泉書院、2010年4月、全108頁 [rakuten:book:13653883:detail]数年来やっていた物語論についての研究会の「報告書」のような位置づけ。認知と物語論をつなぐのは、思った以上に難航しました。とにかく、なんと…

文学で考える 〈仕事〉の百年

飯田祐子、日高佳紀、日比嘉高編、双文社出版、2010年3月31日、全202頁 文学で考える“仕事”の百年作者: 飯田祐子,日比嘉高,日高佳紀出版社/メーカー: 双文社出版発売日: 2010/04メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ (2件) を見る…

プライヴァシーの誕生――三島由紀夫「宴のあと」と文学、法、ゴシップ週刊誌――

『思想』No.1030、2010年2月5日、pp.51-66 [要旨] 一九六〇年前後の日本社会において、文学、法、人々の〈私的な領域〉の三者がどのようなかたちで接しあっており、そこに「プライヴァシー」なるアメリカ法に起源をもつ新たな概念が導入されることによって、…

移民の想像力――渡米言説と文学テクストのビジョン――

『JunCture』第1号、2010年1月1日、pp.48-63 [要旨]

スポーツする文学――1920-30年代の文化詩学

疋田雅昭・日高佳紀・日比嘉高 編,2009年6月22日,青弓社 執筆者や各論文のタイトルほかの紹介は、以下の版元ドットコムのページで見られます。 http://www.hanmoto.com/bd/ISBN978-4-7872-9189-9.html 【楽天ブックスならいつでも送料無料】スポーツする文…

近代日本メディア人物誌――創始者・経営者編

土屋礼子編著、ミネルヴァ書房、2008年6月20日、「佐藤義亮」p.137-144を担当 【楽天ブックスならいつでも送料無料】近代日本メディア人物誌(創始者・経営者編) [ 土屋礼子 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 3,024円楽…

船の文学――『あめりか物語』「船室夜話」――

『文学』第10巻第2号,2009年3月,pp.41-49 「荷風没後五〇年 虚像から実像へ」という特集に寄稿したもの。

「モデル小説」の黄昏――柳美里「石に泳ぐ魚」裁判とそれ以後――

『金沢大学国語国文』第34号,2009年3月,pp.124-132 金沢大時代の恩師、上田正行先生の退官記念特集号に書かせていただいたもの。

望郷のハワイ――二世作家中島直人の文学――

『文学研究論集』第27号,2009年2月,pp.219-238 [要旨] 本論文は、ハワイ生まれの二世作家中島直人を再評価しようと試みたものである。中島は、ハワイの日本人学校と公立学校で教育を受け、その途中で日本へ渡日している。その後早稲田大を中退し、小説を…

アメリカへ渡る法――明治期の北米移民送出言説――

筑波大学総合文学領域 国際シンポジウム「帝国の学知と表象――朝鮮、台湾、北米――」,筑波大学,2009年2月21日 [要旨] 明治中期から後期にかけ、人々をアメリカへといざなった言説を分析した。この種の言説といえば、植民論・移民論や渡米案内書に注目が集…

〈コラム〉鉄道と関西文化圏

『横光利一と関西文化圏』,田口律男ほか編,松籟社,2008年12月,pp.183-185 「共著」のカテゴリに入れてあるが、正確には「その他」に分類すべき量と思われるコラム。宣伝も兼ね、ということで。 横光利一と関西文化圏作者: 黒田大河,島村健司,杣谷英紀,田…

身体・空間・心・言葉──梶井基次郎「檸檬」をめぐる──

『佛教大学総合研究所紀要別冊 京都における日本近代文学の生成と展開』2008年12月、105-122 [要旨] 梶井基次郎の「檸檬」を題材とし、身体と空間と心との取り結ぶ関係を、小説の言葉がどのように捉えたのかを考察した。街の上をさまよう青年を描く小説に…

〈自己表象〉の文学史――自分を書く小説の登場―― 私小説文献目録増補版

翰林書房、2008年11月5日、290頁 第二版がでました。2002年に刊行した初版がここ数年ずっと品切れ状態で、古本屋でも買いにくい状態だったので、著者としては大変嬉しく思っている次第であります。翰林書房さんのご好意で、単なる再版ではなく、私小説文献目…

北米日系移民と日本書店――サンフランシスコを中心に――

『立命館言語文化研究』20巻1号、2008年9月、pp.161-177 [要旨] 移民地と〈内地〉日本の間の人・モノ・情報の流れを考察する作業の一環として、サンフランシスコの日本書店の歴史と役割について調査・分析した。日本書店は新刊書はもちろん新聞や雑誌を顧…

《座談会》一人称という方法

『文学』第9巻第5号、2008年9月、pp.2-31 座談会デビュー・・・。安藤宏さんを司会に、猪狩友一さん、鈴木啓子さん、佐藤秀明さんとご一緒でした。 いろいろ非常に勉強になりましたが、初経験だけにいろいろしんどかった。蛮勇をふるって出席した結果、個人…

破船事件と実話・ゴシップの時代

『文学』第9巻第5号、2008年9月、pp.75-87 [要旨] 久米正雄、松岡譲、漱石の長女筆子の間で起こった恋愛事件を破船事件という。この名前の元となった久米正雄の失恋小説「破船」、およびそれを松岡側の視点から描いた「憂鬱な愛人」を検討の対象としつつ、…

〈書評〉川口隆行著『原爆文学という問題領域』

『図書新聞』2882号、2008年8月16日、5面 川口さんの『原爆文学という問題領域』についての書評を『図書新聞』に書きました。ちょっと前に「勝手に書評」などと言って書いたエントリの書き直し版になっています。この前のエントリ、舌足らずなところがあって…

鉄路の道行――近江秋江「舞鶴心中」

『國文學』第53巻6号、2008年4月号、臨時増刊号「旅、鉄道、そしてエッセイ」 2008年4月20日 pp.51-58 http://www.gakutousya.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=0172 [要旨] 心中の道行は、近代に入りどのような展開を迎えたのか。近松秋江の「舞鶴心中」(1915…

データ・マイニングの地平 〈書評〉荒木正純著『芥川龍之介と腸詰め』

『図書新聞』 2862号、2008年3月15日 4面 書評を書かせていただきました。出たばかりなので、さわりだけ紹介。 〔…〕 〈鼻〉をめぐる著者の「地図」は、だが、にもかかわらず面白いのだ。それは「地図」の作成法そのものに、秘密の一端があるのではないか。…

「文壇」は閉じているか――大正文壇・交友録・芥川「あの頃の自分の事」

『国語と国文学』第85巻第3号、2008年3月、pp.41-55 [要旨] この論考は、大正期の小説の表象が、人々の――とりわけ作家たちの――〈私的な領域〉をいかに描き、覗き、侵犯したのかを考え、同時にこれまでの研究がそうした表象の果たした役割として“文壇の境界…

テクストたちの旅程――移動と変容の中の文学――

筑波大学文化批評研究会 編 (著者代表:名波弘彰・荒木正純、編者:内田康、中根隆行、波潟剛、日比嘉高、李志炯) 花書院 2008年2月23日 発行 定価 2200円 ISBN 978-4-903554-27-3 以下の論文を寄せています。 移植樹のダンス――翁久允と「移民地文芸」論 p…

〈書評〉真銅正宏著『小説の方法――ポストモダン文学講義』

『日本文学』No.653, 2007年11月, pp.96-97 「萌(も)え」か「萌(きざ)し」か、それが問題だ。 私は思った。むろん、些末なことだ。が、著者自身ジュネットの『スイユ』を引きながらいうように、読者はパラテクストを参照しながら「読みの制度にどっぷり…

鉄道――関西近代のマトリクス

日本近代文学会関西支部編 和泉書院 2007年11月 定価945円(本体900円) (いずみブックレット1)A5・並製・64ページ・ISBN978-4-7576-0437-7 鉄道―関西近代のマトリクス (いずみブックレット)作者: 日本近代文学会関西支部出版社/メーカー: 和泉書院発売…

北米移民地における日本書店――サンフランシスコの場合――

立命館大学国際言語文化研究所/日本人の国際移動所研究会 連続講座「国民国家と多文化社会」第18シリーズ「環太平洋における移動と労働」第3回「近代書籍流通:日本語の交差(日本・北米・南米)」,立命館大学 [要旨] 「本は流れる」と題した著作を書いた…

声の複製技術時代──スポーツ実況放送と活字メディア──

第一回公開ワークショップ「スポーツする文学」,立教大学 [要旨]スポーツ・ジャーナリズムは、ラジオの登場以降、既存メディアとの競合時代を迎える。このとき、松内則三など人気アナウンサーの〈声〉が、諸メディアの競合の焦点となった。ラジオ放送の録音…

『文学で考える 〈日本〉とは何か』

知人たちと一緒に作った、短篇小説のアンソロジーが刊行されました。大学や短大でテキストとして使えるように編集したものです。双文社からでています。 http://hw001.gate01.com/soubun/ 飯田祐子・日高佳紀・日比嘉高 編 A5判並製/200頁/ISBN978-4-88164-0…

傍流に生きる──菊池寛「身投げ救助業」と琵琶湖疏水

『佛教大学総合研究所紀要』第14号,2007年3月,pp.21-33 文学テクストの分析によってしかわからない土地の風景を、また逆に、土地を読むことによって新たに浮かび上がる文学テクストの姿を、追求してみようとした試みの一つである。具体的には、菊池寛「身…