日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

大学はいま

『連続討議 文系学部解体―大学の未来@横浜国立大学』

室井尚 編、内田樹・吉見俊哉・ハヤシザキカズヒコ・三浦翔・日比嘉高・増田聡・竹下典行・小林哲夫 著『連続討議 文系学部解体―大学の未来@横浜国立大学』読書人eBOOKS 004、読書人、2017年6月15日、電子出版 連続討議 文系学部解体―大学の未来@横浜国立…

大学の反グローバル化論と内向きな社会 ~内田樹さんへの批判を起点に~

東大、アジア7位 先日、東京大学がアジアの大学ランキングで1位から7位にランク・ダウンしたというニュースが流れました。http://www.yomiuri.co.jp/national/20160621-OYT1T50113.html私は、大学ランキングには弊害が大きく、それに一喜一憂する必要はな…

附属図書館の雑誌購読中止が、大学間格差を加速させる

www.j-cast.comJ-CAST は、高騰する電子ジャーナルの購読費の問題も、あわせて書くべきだった。関連企業の商売のあこぎさも、あわせて。阪大図書館においてさえこうである。いわんや他大学においてをや。図書館予算を逼迫している原因の一つは巨額の電子ジャ…

デジタル化と大学図書館の未来──横田氏講演の感想メモ

3月22日、横田カーター啓子さんが、名古屋大で講演をして下さった。図書館の方、大学院生、研究者、出版関係者、その他の方が集まって、密度の濃い2時間あまりの集会となった。私は役得で、その後の食事会でも議論と情報交換を続行した。いろいろ考えさせら…

踏みとどまること、つなぐこと──人文社会科学の意義と可能性

『高知人文社会科学研究』第3号、2016年3月20日、pp.55-66 2015年11月8日に行われた高知大学人文社会科学部キックオフ・シンポジウム「高知から考える人文社会科学の可能性」(会場・高新RKCホール)での、同名の講演を収録したものです。内容は以下から…

東京新聞こちら特報部 スーパー日本人@阪大特集

本日東京新聞こちら特報部にて、スーパー日本人@阪大特集。私も(いまさらながら)コメントをしています。

2041年大学未来記

『文學界』第69巻第12号、2015年12月、特集「「文学部不要論」を論破する」、pp.227-238 上記の特集に寄稿したものですが、ある種のディストピア・フィクションになっています。www.bunshun.co.jp

文科省の文系学部軽視は「誤解」なのだろうか 鈴木寛氏の記事を起点に考える(上)

(下)はこちら 資料・出典・リンク集 はじめに 最近、いくつかの記事やら情報を見て思うのですが、文系学部大学院の廃止・転換問題について、文科省は少し軟化姿勢を見せているようです。下村文部科学大臣は『日本経済新聞』(2015年8月10日)のインタビュ…

文科省の文系学部軽視は「誤解」なのだろうか 鈴木寛氏の記事を起点に考える(下)

(上)よりつづく 資料・出典・リンク集 4.科研費は増額しているのか 人社系の科研費シェアを調べてみた 文科省は文系学部を軽視していない、と鈴木寛文部科学大臣補佐官は主張しますが、その根拠の一つは科研費の増額です。 科学研究費補助金について言え…

文系学部問題メディア記事リスト他(【資料・出典編】 文科省の文系学部軽視は「誤解」なのだろうか)

親記事はこちら(文科省の文系学部軽視は「誤解」なのだろうか 鈴木寛氏の記事を起点に考える(上) - 日比嘉高研究室)です。 教員養成系、人文社会学系学部・大学院廃止問題を論じたメディア記事リスト このリストに関しては、随時更新予定 最終更新 2015/…

中日新聞「みんなの本」欄で紹介されました

今朝(13日)の中日新聞朝刊「みんなの本」欄で、拙著『いま、大学で何が起こっているのか』が紹介されています。ありがたいことです。いま、大学で何が起こっているのか作者: 日比嘉高出版社/メーカー: ひつじ書房発売日: 2015/06/23メディア: 単行本(ソフ…

「国立大学振興議員連盟」について少し情報が集まりました

「国立大学振興議員連盟」とは何か おとといぐらいに、Facebookで「国立大学振興議員連盟」なるものができたことを教えてもらって興味をもちました。知人を通じて横流ししてもらった「「国立大学振興議員連盟」への入会及び総会のご案内」(平成27年5月28日…

ある地方国立大の理事クラスの方からのメール(教員養成・人文社会系廃止削減問題)

先日、ある地方国立大の理事クラスの方からメールをいただきました。人文社会系の改組に関わるお仕事にもたずさわっていらっしゃるとのことでしたが、たいへん危機感をお持ちでした。その内容をご紹介します。 なお、数字などは変えていませんが、大学の特定…

文系削減=理系シフト問題を、科学技術開発+大学発ベンチャー+軍事技術の交差点の歴史から考えることの大事さを教えてもらった

タイトル長いよ(笑)「人文社会系学部「京大には重要」 山極総長、文科省通達に反論 : 京都新聞」の記事をシェアした森本淳生さん(一橋大学、フランス文学)と、それにコメントをした高瀬進さん(山口大学、大学発ベンチャー研究)のやりとりが、とても勉…

「自民党サークル」はありなのか――18歳選挙権と大学の中の政治

大学に「自民党サークル」 18歳選挙権の法案が成立した直後に、次のようなニュースを目にした。 自民党青年局は17日、選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公選法成立を受け、党の政策に理解を求めるため、各大学に「自民党サークル」を設けること…

国立大文系学部の学生定員は、「半分ぐらいなら残してもいい」とか言われたという噂

先日、とある地方小規模国立大学の理事の方とお話しする機会があった。話題は文系学部の縮小や、国立大の三分類化についてであった。いくつかびっくりすることがあったので紹介するが、裏を取っていないので、あくまで「噂レベル」として受け止めていただき…

国立大の「理系シフト」と高校現場、そして親たち

「国立大学の文系学部縮小が高校や私立大学に与える影響」(「「大学・NPO経営」と「初めての子育て」」)というブログ記事を読んだ。 http://blog.livedoor.jp/kotolier/archives/51969042.htmlこの方の言っていることはうなずけない点がいくらか含まれてい…

朝日新聞のフォーラム「大学改革の行方」(6月8日)

http://www.asahi.com/articles/DA3S11796930.htmlwww.asahi.com 本日の朝日新聞のフォーラム欄の特集は「大学改革の行方」です。さまざまな経験をお持ちの方、さまざまな立場の方が意見を述べており、考えさせられます。僭越ながら私もコメントをさせてもら…

例の教員養成系・人文社会学系の廃止・転換の指示がいよいよ来るようです

「国立大学法人の第2期中期目標期間終了時における組織及び業務全般の見直しについて(案)」が文科省から出ている。5月27日付。国立大が文科省と交わすお約束を中期目標というが、その第3期をこれからまとめる際の基本指針となるものだ。http://www.mext.go…

もうすぐ出ます 『いま、大学で何が起こっているのか』

このブログでいろいろ書いてきました大学論関係の記事が、ひつじ書房さんから本になります。6月10日前後には書店店頭やオンラインストアに並ぶと思います。ご関心のある方は、ぜひ。目次は以下のひつじ書房のページにて。ひつじ書房 いま、大学で何が起こっ…

東・西洋日本語文学研究国際学術SYMPOSIUM「世界 日本語文学研究の現状と展望」

高麗大学でのシンポジウムを終えて、日本への帰路、これを書いています。今回のシンポジウムは「東・西洋日本語文学研究国際学術SYMPOSIUM「世界 日本語文学研究の現状と展望」」と題したもので、メンバーは雑誌『跨境 日本語文学研究』の編集委員、査読委員…

大学のグローバル化で何が論じられているか、何を論じるべきか

グローバル化の論点 大学にグローバル化の大波が押し寄せている。「スーパーグローバル大学」だとか、ランキング競争、英語専門コース、留学生受け入れ三〇万人計画などといった、さまざまなトピックについて聞いたことがある人も多いだろう。この章では、い…

生涯学習は私たちの社会の新しい管理形態なのか――教育再生実行会議・ドゥルーズ・学びの両義性

現首相の私設諮問会議である「教育再生実行会議」が、先日、「学び続ける」社会と銘打って、生涯学習についての提言をしていた。 大学にいろいろな人がいつでも戻ってきて勉強しやすくなる、というのは基本的にはすばらしいことだと思う。18才人口が減って入…

日本政府がMITやジョージタウン大などの日本研究に18億円出すことに決めたらしい件

日本政府は、増大する中国と韓国の影響力に対抗する「ソフト・パワー」政策の一環として、ジョージタウン大、マサチューセッツ工科大学(MIT)を含む海外の9つの大学の日本研究に、1500万ドル(約18億円)以上の予算を付けることにした、とのことです。ソー…

争論「文系学部で何を教えるか」で話をしました

3月4日の『朝日新聞』オピニオン欄「争論 文系学部で何を教えるか」で話をさせてもらっています。お相手は、冨山和彦さんです。ご関心のある方はぜひお読み下さい。 http://www.asahi.com/articles/DA3S11631210.html http://www.asahi.com/articles/DA3S116…

続「大学は役に立つのか」マジレスしてみます 個別分野編(日本文学研究)その2

なぜ大学に日本文学研究という領域・講座があるのか いいかげん、我ながらしつこいと思うようになってきた、《「大学は役に立つのか」にマジレスしてみます企画》の個別分野編2です。もうこれでおしまいにします(笑)総論編は、こちら、 http://hibi.haten…

「大学は役に立つのか」にマジレスしてみます 個別分野編(日本文学研究)その1

日本文学研究って役に立っているのか 「大学は役に立つのか」にマジレスしてみます企画の個別分野編です。総論編はこちらをご覧下さい。説明するのは、私自身が研究している「日本文学研究」という分野です。なかでも、私は近現代文学という明治時代以降の文…

「大学は役に立つのか」にマジレスしてみます 総論編

昔から問われつづけた問いであるような気もしますが、最近とくに目にすることが多くなった問いに、「大学に通って何の意味があるの」「大学は役に立っているの」というものがあります。これは色々な角度から答えられますし、その答えは誰に対して答えるのか―…

東京大学「軍事研究解禁」ガイドライン改訂で政治的圧力はあったのか

東京大学は狙われた可能性がある 16日の産経新聞の報道が火を付けた東京大学の「軍事研究解禁」をめぐる騒動は、東大総長の声明文書と、『朝日新聞』への大学広報による否定コメントによって、とりあえず今回は一件落着ムードのように感じられるが、それはま…

東京大学が軍事研究容認に舵を切った件

NHK以下が報じているニュースは以下: 東大大学院 軍事研究一定程度可能に 1月16日 11時54分 東京大学大学院の理科系の研究科が、去年12月、軍事に関わる研究を禁止するとしていたガイドラインを見直し、「軍事・平和利用の両義性を深く意識し、研究を進め…