日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

古市憲寿さんの「百の夜は跳ねて」と木村友祐さんの「天空の絵描きたち」に関して

日経新聞の以下の記事でコメントをしています。古市憲寿さんの「百の夜は跳ねて」と木村友祐さんの「天空の絵描きたち」に関して。芥川賞の選評が話題でした。以下補足します。>>「小説のオリジナリティーとは 芥川賞選評から考える 」『日本経済新聞』文化…

外交と天皇が憲法を越えるとき

いま、「外交」と「天皇」を理由に、現役の府知事が現役の県知事の辞職を求める超展開になっている。 www.asahi.com愛知県知事は、「憲法通りにやります」と言っている。 その県知事に対して、府知事は辞職を求めている。 辞職を求める根拠は「憲法の外」に…

幼児と戦車

本日、以下のようなニュースを見ました。 this.kiji.isたまたまこの前、息子が戦車のラジコンをほしいと言っていたのもあって、思ったことを書いてみます。 「はたらくくるま」と戦車 この手の「はたらくくるま」系の本は息子が幼稚園の頃何冊か持っていまし…

N国がなぜ議席を取ったのかまったくわからなかったので、色々見学してきた感想。

感想の結論から言うと、この党はもう少し国政や地方議会で議席を伸ばす気がする。(2019.7.23, 8:00, 追記・編集あり)(追記2 2019/7/24の朝日新聞によると、N国への投票者層(比例区)は次のような人々がコアらしいです。「男女比は男性68%、女性32%…

サイトの引っ越し 名古屋大学大学院 人文学研究科 日本文化学専門

学内のサーバの廃止に伴って、所属講座のウェブサイトが以下に引っ越ししています。 Googleではまだ新しいページがヒットしませんので、ここにリンクを張っておきます。jculture-nu.main.jp

(紹介)在朝日本人の文学に関する最近の研究 高麗大学の成果

かつて、植民地時代の朝鮮半島に住んでいた日本人=在朝日本人による文学活動というのがありました。ここのところ高麗大学の日本文学研究系の人たちが、大きな研究費を取って継続的にこのジャンルについての研究を行っていることは、間近で見て来ました。先…

(コメント出演)中京テレビ キャッチ

5月30日、中京テレビの「キャッチ」という番組に、短いコメント役で出演しました。 SNSで「いいね!」が買われている問題について。

「みらい翻訳」を使って仕事をしました。(使用感)

ちょっと前の紹介Tweetが予想外に出回ってしまったので、責任?を感じまして、ちょいと使用感について書いておきます。話題の #みらい翻訳、まじですごい…。Google翻訳よりずっといい。訳あって英文の原稿を用意しているが、完全に私のヘボ英作文を凌駕。こ…

高校国語科の曲がり角 ──新学習指導要領の能力伸長主義、実社会、移民時代の文化ナショナリズム

『現代思想』第47巻7号、2019年5月、pp.114-123 この論考では、現在進行中の「改革」によって変わろうとしている国語科の姿を確かめ、批判的に検討した。具体的に取り上げたのは、2018年に公示された高校国語の新学習指導要領である。節題は以下の通り。1.…

新紙幣登場についてコメント(東京新聞)

新紙幣の件で、東京新聞でコメントをしています。 「不遇の二千円札 触れたくない「危険物」」東京新聞、朝刊、2019年4月10日、25面 ちょっと勢い盛られてる感じがするけど、まあ、、、はい。文学者が消えたことを嘆く文学研究者的なアレ。

メールアドレスの変更について

所属組織のメールサーバの運用変更により、この3月で日比の大学メールアドレスが変わります。今後の連絡先については、下記をご覧下さい。park18.wakwak.com

最近頂戴した本 4冊

Twitterでも紹介しましたので、以下貼ります。省力モード。恵贈感謝★黒田 俊太郎『「鏡」としての透谷──表象の体系/浪漫的思考の系譜』翰林書房2018ぱっと目、北村透谷についてのしぶい内容にも見えるのだけど、実はのっけからメルロ・ポンティの「鏡」の議…

文化資源とコンテンツを文学研究的に論じるための覚え書き――文豪・キャラ化・参加型文化

日比嘉高、『横光利一研究』17号、2019年3月、pp.63-74、研究展望 日本近代文学館で行われている「新世紀の横光利一」展に合わせて、『横光利一研究』(17号、2019)が刊行されています。特集は「文化資源(コンテンツ)としての文学」。私は次の研究展望を…

遅すぎる子供と早すぎる大人

息子が遅すぎる 息子は小1になっているのだが、どうにも行動が遅い。着替えも遅い、食べるのも遅い、勉強を始めるのも遅い、遊びをやめるのも遅い。給食はクラスで一番最後に食べ終わり、プールの教室でも一番最後に着替え終わる。遅くなってしまう理由は色…

発表者募集 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 2019 台北大会

東アジアと同時代日本語文学フォーラム 2019 台北大会 の個人研究発表・パネルセッション の募集が始まりました。特集は「海から見る東アジアの文学と文化」です。発表は、特集に関係したものでも、自由なテーマでもかまいません。詳細はこちらをご覧下さい…

私たちはかしこく、冷静でありたい。

朴裕河さんの言葉。「重要なのは、結果以上に対話自体である。対話が続く限り、過去の不幸な時間は克服可能だ。これ以上手遅れにならないうちに、いったい何が問題だったのか、この四半世紀の葛藤から振り返る必要がある。」www.huffingtonpost.jpこれまで以…

謹賀新年 今年のことと去年のこと 附・2018のお仕事一覧

あけましておめでとうございます。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 年頭に際し、本年の抱負気味のことと、昨年の振り返りをしておきます。 2019年は ほとんど出す出す詐欺と化していた、モデル小説がらみの単著をまとめます(きっぱり)。 外地書店…

(論文)亡霊と生きよ――戦時・戦後の米国日系移民日本語文学

木越治・勝又基編『怪異を読む・書く』国書刊行会、2018年11月所収、pp.443-461 (要旨)この論考は、米国日系移民の日本語文学を主な検討の対象としながら、亡霊と記憶と文学をめぐって考えたものである。分析の対象とする作品は、戦後の米国日系人が刊行し…

紹介『怪異を読む・書く』、あるいは木越治先生の追想

最近共著として国書刊行会から出版した『怪異を読む・書く』について紹介をしたいのだが、順を追って木越治先生との思い出から書く。本書は、木越先生の古稀記念出版として企画され、そして予想もしなかったご逝去を受けて、御霊前に捧げる追悼論文集となっ…

講演「真山青果と徳田秋聲 明治大正文壇交遊録」

以下の講演をします。秋の金沢へ、ぜひ。 「真山青果と徳田秋聲 明治大正文壇交遊録」 日比嘉高 徳田秋聲記念館(金沢市) 11月18日(日) 14時から ※ 同日13時から秋聲忌の墓前祭です。

「満洲」における書物流通――満洲書籍配給株式会社以前、以後

第6回 東アジアと同時代日本語文学フォーラム 上海大会、2018年10月20日、復旦大学 [概要]この報告では、「満洲」における日本語書籍の小売・流通史を追跡した。対象としたのは日本語の書物を扱った日本人経営の書籍店と、それら書店へ内地からの書籍を運…

小説は東日本大震災を描けるのか?~「美しい顔」騒動から見えるもの(毎日メディアカフェ)

震災の表現と「剽窃」問題で議論になった「美しい顔」を起点に、ジャーナリストの石戸諭さん@satoruishido とトークイベントを行います。「小説は東日本大震災を描けるのか?~「美しい顔」騒動から見えるもの」 石戸諭×日比嘉高 10月11日18:30~ 毎日メディ…

Inheriting Books: Overseas Bookstores, Distributors, and Their Networks

Keynote Panel "Evidence and the Challenges of the Humanities," Yoshitaka Hibi, Etsuko Taketani, Indra Levy, Christina Laffin, and Anne McKnight (moderator) , Sep. 7th, in 27th Annual Meeting of the Association of Japanese Literary Studies …

勉誠出版がネトウヨ化しているという悲報に接したあと自省した夜

(2018.08.12追記)この問題のあと、Twitterで以下のタグが出現して、盛り上がっています。Twitterらしいスマートな応援の仕方で、いいですね。私もちょっとだけ推挙しておきました。 twitter.com以下オリジナル本文です。 ■勉誠出版がネトウヨ化していると…

「美しい顔」とそれが提起した問題についての補遺

1. 「美しい顔」は、つくづくかわいそうな作品になったと思う。私は、この作品が世に出てきた時とても褒めたし、今でもよい作品で「ありえた」小説だと思っている。作者もポテンシャルの高い人なんだろう推定している。 2. この問題に首を突っ込んで以来…

「美しい顔」の「剽窃」問題から私たちが考えてみるべきこと

1.剽窃がアウトなのは当然だが、問題の核心はそこにない 第159回芥川賞の候補作となった北条裕子「美しい顔」が、他人の作品から表現の「盗用」を行っているのではないかと指摘を受け、議論になっている。「美しい顔」は六月号で発表された群像新人文学賞…

「大学ランキング。悔しかったら上げてみろ」

言いたい放題に言ってくれている記事について、一言だけ反論しておく。 kyoiku.yomiuri.co.jp 「(国立大は)運営費交付金の減額に逃げ込み、それを口実にやるべきことをやっていないのだ」 「大学ランキング。悔しかったら上げてみろ」 http://kyoiku.yomiu…

(取材協力)『AERA』の特集「ウソつきとは戦え」

最新号『アエラ』の特集「ウソつきとは戦え」(2018年6月11日)において、コメントしております。手にとっていただければ幸いです。聞いていた特集タイトルと変わっている気がしますが、悪くないですね。賛成なり。ウソつきとは戦え。publications.asahi.com

講演「図書館を文学から覗いてみれば」

明日は、以下の講演をします。 場所:安城市図書情報館多目的室 日時:2018年5月26日(土)13:00 講演会 14時より 演題「図書館を文学から覗いてみれば」 日比嘉高氏(名古屋大学大学院人文学研究科准教授) https://sites.google.com/…/chuubutoshoka…/gyou…

名古屋市教育委員会の「親学」について調べてみたらわかったこと

Ⅰ 小学校から「親学」のパンフレットが来た 先月(2018年4月)、子どもが小学校から「親学」と大々的に書かれたパンフレットをもらってきた。そこには、 名古屋市教育委員会では、子どもにとって親はどうあるべきかを考え、子どもとともに親として成長する楽…