日比嘉高研究室

近況、研究の紹介、考えたこと

「「ポスト真実」にどう向き合うか」『しんぶん赤旗』(インタビュー)

取材協力しました。
「「ポスト真実」にどう向き合うか」『しんぶん赤旗2017年1月11日(水)、焦点・論点欄でのインタビューです。
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全文はこちらで読めます。
2017焦点・論点/「ポスト真実」にどう向き合うか/名古屋大学大学院准教授 日比嘉高さん/正確な事実を伝え続けていく 届く言葉を届く経路と方法で

いただいた本とCDを紹介

「サークルの時代」を読む 戦後文化運動研究への招待

honto.jp

お送り下さった編者のみなさん、執筆者の方々、ありがとうございました。
戦後のサークル運動を考える、分厚く、そして熱い論文集。道場親信さんのご遺著の一つでもある。全10章+コラム11本という大部の構成です。詩など文学系が多いですが、美術や幻燈もあり、ガリ版印刷など出版文化についてのコラムもあります。地域も大阪、京浜、長崎など多岐にわたりますし、交差する横軸としても朝鮮戦争や在日朝鮮人、原爆、(結核ハンセン病など)療養所など興味深い補助線が多いです。
巻末の参考文献、「文献案内」、「戦後サークル文化運動略年譜」なども、この分野について私は知識が少ないので、ありがたい。
序章でチラリと課題のひとつとして上げられていたけれど、戦前の左翼系の運動とのつながり/断絶は、頭を整理するためには気になるところ。これからじっくり各論を読んで勉強してみます。
名大の学生たちを見ていても思うけれど、「運動」とか「コミュニティ」とか「共同体」とか「療養所」とかいう、ある種の集団の動態や輪郭を考える指向ってのが、今の研究状況の中で、一定数ある気がしている。きっと私たちが置かれている「現在」のあり方と関係しているのだけれど、まだしっかり言語化はできていない。

村上春樹論──神話と物語の構造

www.books.com.tw

著者の内田康さんから頂戴する。感謝!
村上の中長篇についての作品分析を重ねながら、抽出可能な神話や物語の構造を考えたものとなっている。終章にそれが整理されているが、「オルフェウス型[イザナキ型]」「イアソン型」「テーセウス型」「オオクニヌシ型」などの構造的類型を提示し、それに過去・現在・未来の〈喪失〉の三層構造や、王殺し・父殺し、女をめぐる物語・男をめぐる物語が交差して考えられていく。
詳細な目次はリンク先参照。
台湾での出版なので、日本国内ではやや入手しにくいかもしれない。

ライトノベル・フロントライン 3

honto.jp

大橋崇行さんより頂戴。ありがとうございます。
シリーズも3冊目。この業界については素人同然の私には、とにかく勉強になることばかり。今回は第2回ライトノベル・フロントライン大賞の発表とそれに関係する選評が掲載されていて、ははーそういう傾向ですか、と知った気持ちになれる。もう一つの小特集、「メディアミックスの現在」もよい。ノベライズ、アニメーション、作家、コンシューマーゲーム、音楽・声優、パソコンゲームと並ぶ。

ほかに山中智省さんの「〈ライトノベル雑誌〉研究序説」、茂木謙之介さんの「〈皇族萌え〉とモノガタリ」など、面白そうな個別論考も並ぶ。

やっぱりここは現代小説/文化論の一つの前線ですわね。


Yokohama, California

ヨコハマ、カリフォルニア

ヨコハマ、カリフォルニア

日系を中心としたアジア系アメリカ人のグループ「ヨコハマ、カリフォルニア」の同名のアルバム(の復刻+ボーナストラックス)。ライナーノートの翻訳と解説をなさった神田稔さんから頂戴する。バンド名、アルバム名は、著名な日系作家のトシオ・モリの同名の短編小説集(1949)にちなむ。原版は1977年に自主制作で出た。アフリカ系、アジア系などアメリカのマイノリティ・グループの対抗文化運動の一部だったといえるのだろう。

アルバムの冒頭にこうある。「わたしたちが歌で表現しようとしたのは、アジア系アメリカ人の歴史、わたしたちのコミュニティーが抱える現在の問題、そして将来に向けた希望である」(神田さん訳)

歌詞とその解説(メンバーたち自身が書いている)を読むと、強制収容など日系人の歴史だけでなく、フィリピン系のコミュニティの話や、日本への原爆投下にかかわるものなど、彼らのアンテナの横への広がりも見える。

トシオ・モリの描いた第二次大戦以前の日系コミュニティ、ヨコハマ・カリフォルニアのフォーク・ソング、重ねられる記憶と表象を、2017年の私たちはどう聞き、読むか。神田さんの詳細な解説も必読です。

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

今年の目標:

  • 健康と体力は大事だよ
  • 粗製濫造せぬよう自戒
  • デジタル・ヒューマニティーズ関係の勉強をぼちぼち始めたい
  • 書を捨てなくてもいいけど、街に出よう
  • 久々に米国の日本文学系の学会に行きたい

ところで、だんだんこのブログの性格も変わってきています。ブログと、Facebookと、Twitterを併用しているので、日常の無駄話や、どうでもよい駄弁は、Facebookの方に書いています。こちらのブログは、ときどきBLOGOSに転載されたりすることもあって、告知と宣伝、そして議論の記事、というのが主な内容になってます。

とはいえ、肩肘張らず、気楽に、書きたいことを書こうと思っています。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

「ポスト真実」TOKYO FM TIME LINE

今日はこれです。19:20ごろから。
「世界に広がる「ポスト真実」に対抗する手段」。ナビゲータは古谷経衡さん。

やる気のでない冬のあなた(私)に 2016

かなり前だが、「やる気のでない夏のあなたに - 日比嘉高研究室」という記事を書いたことがあります。
いま、超低空飛行のあなた(私)に2016年版をお送りします。

1.机を掃除しよう
やる気がでないと、掃除をする気も起きないものですが、とりあえず積み上がった書類や本を、ちょっとでいいから片付けてみましょう。できれば、机の上が綺麗になって面積が広々するまで片付けましょう。気持ちもさっぱり、不思議とちょっと前向きになっています。

2.パソコンを閉じよう
作業してますか。してないですね? ネットをうろうろしていませんか。メールの返事を書いて仕事をした気になっていませんか。SNSで時間を潰したり、無駄な気疲れしたりしてませんか。当然ですが、スマホも同じ。

3.場所を変えよう
図書館とか、カフェとか。資料を少しだけ持って、行ってみましょう。出かけるだけで、すでに最初の一歩になっています。

4.積読本を開いてみよう
「あとで読む」状態の本を、開いてみましょう。気合いを入れてはいけません。開くだけで可。その本は、アンテナが立っていたときのあなた(私)が選んだ本です。 なにかに、ちょっと火が付くかもしれません。

5.寝なさい
なにもできない? じゃあもう寝なさい。しっかり寝なさい。早く寝なさい。スマホもパソコンもテレビもマンガもゲームも遠ざけて、寝て、明日早く起きて、朝ご飯を食べなさい。体は思ったよりあなたを支配しています。元気は、根本。


さて……。パソコン切るか orz

最近いただいた本 その2

年内に紹介しておかねば…。(もはや最近でもないけど)最近いただいた本、その2です。


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層 ―映像と表現 vol.9 特集1=世界内戦と現代文学―創作と批評の交錯― 特集2=忍者と探偵が出会うとき - ゆまに書房

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フェンスレス

http://senryokaitakuki.com/

始更

http://ci.nii.ac.jp/ncid/AA11874146

原爆文学研究15

http://www.genbunken.net/kenkyu/kenkyu.htm

www.ohfu.co.jp

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